1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580176
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 信夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 智子 千葉大学, 医学部, 技官 (20143307)
平良 眞規 千葉大学, 医学部, 助手 (60150083)
|
Keywords | ヒト細胞 / RSa / UVr-1 / 突然変異 / プロテアーゼ / 紫外線 / インターフェロン / Xeroderma Pigmentosum |
Research Abstract |
ヒト細胞RSaは紫外線作用に高感受性を示す培養株である。紫外線作用の中でも突然変異誘発頻度が本細胞では著しく高い。この高頻度の原因と関係あるタンパク質を本研究で明らかにした。 紫外線照射前インターフェロン処理したRSaでは突然変異の誘発頻度は低下するが、紫外線照射直後サイクロヘキシイミド処理すると再び上昇した。サイクロヘキシイミドはタンパク合成阻害剤であるから、何らかのタンパク質が高頻度変異に関与すると予測された。一方、RSaより樹立した株UVr-1は突然変異発現頻度が低いが、紫外線照射直後プラスミノゲンアクチベーター様プロテアーゼの活性レベルが上昇した。このUVr-1細胞より得た粗抽出プロテアーゼサンプルを用い、試験管内で本活性を阻害する因子をいくつか見い出した。その中の一つアンチパインを紫外線照射直後投与すると、UVr-1の突然変異誘発頻度は上昇した。UVr-1細胞より抽出したDNA断片をレーザートランスフェクション法によりRSa細胞に抽入して得られた形質転換株は、突然変異誘発頻度が低下し、同時に、本プロテアーゼ活性の誘発レベルが上昇していた。なお、インターフェロン処理したRSa細胞では紫外線照射直後プラスミノゲンアクチベーター様プロテアーゼの活性レベルは上昇し、サイクロヘキシイミド処理は本上昇を消失させた。以上のことから、プラスミノゲンアクチベーター様プロテアーゼはエラーフリー(誤りなし)機構の誘導に関与することが強く示唆された。 このプロテアーゼ関与エラーフリー誘導機構は、Xeroderma Pigmentosum(XP)患者由来細胞でも欠損していることが明らかとなった。
|
-
[Publications] Sekiya,S・Oosaki,T・Andoh,S・Suzuki,N・Nagao,K・Takamizawa,H: Eur.J.Cancer Clin.Oncol.24. 851-859 (1988)
-
[Publications] Suzuki,N・Suzuki,H・Kojima,T・Sugita,K・Takakubo,Y・Okamoto,S: Mutation Res.198. 207-214 (1988)
-
[Publications] Fukuzawa,I・Inaba,N・Ota,Y・Sato,N・Shirotake,S・Iwasawa,H・Sekiya,S・Takamizawa,H・Suzuki,N・Tokita,H: Arch.Gynecol.Obstet.243. 69-81 (1988)
-
[Publications] Suzuki,H・Suzuki,N: MuTAFION Res.209. 13-16 (198)
-
[Publications] Suzuki,N・Inaba,N・Sugano,I・Umehara,S・Murakami,T・Takakubo,Y: Jpn.J.Cancer Res.79. 1184-1192 (1988)
-
[Publications] Suzuki,N・Suzuki,H: Mutation Res.202. 179-183 (1988)