1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580187
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋葉 健一 東北大, 選鉱製錬研究所, 教授 (00006040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 均 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (10091753)
|
Keywords | セシウム / ストロンチウム / 固定相 / ポルサイト / 水熱処理 / 浸出性 |
Research Abstract |
近年Csの固定相としてアルミノケイ酸塩鉱物、特にポルサイト(CsAl【Si_2】【O_6】)が安定な鉱物として注目されている。本研究では、より低温でのCsの固定化法として、水熱条件下でのポルサイトの生成を試み、以下の知見および成果を得た。 1.Csの固定化、300℃,280kg/【cm^2】の水熱条件下で24時間処理した場合、バインダ入りA,XおよびY型ゼオライトではいずれもポルサイトのみが認められ、Csはポルサイト中に固定された。L型については、一部ゼオライト構造の残存が認められたがポルサイトが生成した。バインダーレスのA型では、CsはCs AlSi【O_4】中に固定された。 2.水熱条件、バインダー入りA型について、24時間処理した場合のポルサイトの生成条件を検討したところ、低圧の場合を除き、およそ240℃以上で定量的に生成している。また、300℃での経時変化を調べると1時間でポルサイトが出現し、2時間以内にゼオライト相は消失した。3時間以後は定量的にポルサイトが生成する。 3.水熱固化体の物性、高温焼成によるポルサイトの加熱変化(DTA,TG)には殆ど変化が認められず、1200℃まで極めて安定であるが、水熱生成によるポルサイトでは、いずれも600℃付近まで脱水による重量減少が認められた。また、比表面積は焼成体に比べおよそ1桁程度大きく、密度は若干小さいことから、水熱処理によるポルサイトは構造水を含み、かなりポーラスであると考えられる。4.CsとSrの浸出性、焼成体と同様に耐浸出性は極めて良好であり、【10^(-8)】g/【cm^2】day以下の浸出率を示した。 本研究によりCsとSrの固定化のための最適な水熱処理条件が把握でき、より揮発性の低い固定相生成が可能である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 柴田雅博,三村均,秋葉健一: 日本原子力学会昭和61年秋の分科会予稿集(第【II】分冊). H29 (1986)
-
[Publications] 三村均,秋葉健一: 東北大学選鉱製錬研究所彙報. 42. 239-246 (1986)