1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580221
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩村 達一 名大, 農学部, 教授 (00013300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 穣 名古屋大学, 農学部, 助手 (70155026)
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Keywords | クロレラ遺伝子 / クローン化 / 葉緑体遺伝子 / ヒストン遺伝子 / プロトオンコジーン / オルガネラ遺伝子 |
Research Abstract |
1.クロレラプロトオンコジーンの検索ーー無性的な分裂増殖のみで、所謂分化現象の見られぬ眞核細胞には、細胞の分裂増殖に必須なオンコジーン 存在すべきであるとの観点から、v-myc,v-abl,v-H-rasv-K-ras,v-myb等のオンコジーンと相同なクロレラ遺伝子の検索を試みた。クロレラゲノムDNAライブラリー中には、v-mycに比較的強く、v-ablには弱く、v-rasにはかすかにハイブリダイズするDNA断片を検出した。このうち、v-mycに相同なクロレラDNA断片(約5Kb)については、十分に検討し、クローン化を行ひ、これを二つの断片とした各々についてクローン化に成功した。目下、これらについて、更に断片化し、それらの塩基配列を決定する実験を行なっている。 2.クロレラヒストン遺伝子ーークロレラゲノムDNAライブラリー中にウニヒストン遺伝子と相同なDNA断片を検出した。 3.クロレラ葉緑体遺伝子ーー手持ちのクロレラゲノムDNAライブラリー中には、葉緑体遺伝子,γbcL(ルビスユ大サブユニット蛋白),aApA(ATP合成酵素),psbA(チラコイド膜蛋白)に相同なDNA断片を確実に検出することは出来なかった。16S-23SrDNAについては、ゲノムDNAライブラリー及び、クロレラ全細胞DNA(激しい機械的破碎による)制限酵素断片中に、やゝ不確実な点もあるが、トウモロコシのそれと相同なDNA断片のあることが判った。ゲノムDNAライブラリーは再調製して、更にこれら遺伝子のクローン化を試みる予定である。 4.レーザー式マイクロインジエクター使用の試みーー本機の試用により、クロレラ細胞を、現在迄に試みた方法のうちで最も穏和に破碎し得る可能性が示された。從って、本機の使用により、葉緑体遺伝子を無損傷で抽出することも可能と考えている。
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