1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580223
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
篠沢 隆雄 鳴教大, 学校教育学部, 助教授 (30025449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10093428)
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Keywords | 視細胞 / 視興奮 / サイクリックGMP / イオンチャンネル / 光親和性標識 |
Research Abstract |
カエル視細胞外節(Rod outer segments:ROS)のNaイオンチャンネル蛋白質はサイクリックGMP(cGMP)が結合するはずなので、【^3H】-cGMP存在下で254mmの紫外線(U【V_(254)】)を用いての光親和性標識法によりcGMP結合蛋白質を検索した。Naイオンチャンネル蛋白質の一つの条件として内在性膜蛋白質である事が考えられる。当初、分子量100Kと92KのcGMP結合蛋白質が検出されたが、これらの蛋白質はROS調製の条件により内在性膜蛋白質の挙動を示すものの表在性膜蛋白質のcGMPフォスフォジェステレースである事が判った。更に【^3H】-cGMP添加やROS調製の条件を変えてU【V_(254)】を照射すると分子量250Kの内在性膜蛋白質が標識された。250K蛋白質は外節形質膜上に存在し、外節1個当りの9x【10^6】分子存在する事などからNaイオンチャンネル蛋白質としての資格を備えている事が判った。又、この250K蛋白質は糖蛋白質で光に依存してリン酸化される事も判った。250K蛋白質はTriton x-100やCHAPSで可〓化され、DEAEセルロースとハイドロキシルアパタイトで部分精製が出来た。次にU【V_(254)】照射をCaイオンの存在下で行うと、分子量66Kの内在性膜蛋白質が【^3H】cGMPで標識された。250K,66K蛋白質とcGMP依存性のNaイオンチャンネルとの関係を解明すべくROSの膜蛋白質画分を脂質平面膜に組込む電気生理学的実験を行うと、単にcGMPにより開閉されるイオンチャンネル活性と、cGMP存在下でCaイオンにより開閉されるイオンチャンネル活性とを検出した。現在、250K蛋白質画分のイオンチャンネル活性を測定中である。以上は破砕したROSを用いての結果であるが、無傷の網膜を用いての光応答をN-ethlymaleimideが阻害する事が判ったので、【^3N】-N-ethylmaleimideで網膜を処理しROS画分を調べると、250K蛋白質が強く標識される事が判った。 なお、本科学研究費で購入した凍結乾燥機はROS蛋白質や250K蛋白質を保存するための試料作成に使用している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shinozawa,T.;Yoshizawa,T.: J.Biol.Chem.261. 216-223 (1986)
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[Publications] 篠沢隆雄,寺田庄一,松坂浩: 実験医学. 5. 222-230 (1987)
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[Publications] 篠沢隆雄,福永晋哉,山下伸典: "「脊椎動物の視細胞外節におけるサイクリックGMPの生理機能」「情報生物シリーズ【II】神経情報の伝達に関与する分子」" 培風館, (1987)
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[Publications] Yoshizawa,T.;Shinozawa,T.;Shichida,Y.;Matuoka,S.;Ioshida,S.;Kandori,H.;Sokabe,M.: ""The Transdustion Mechanism of Light Information in Rod Outer Segment"in"Retinal Proteins"" VNU Science Press(The Netherlands), (1987)