1986 Fiscal Year Annual Research Report
日常行動生態からの情報検出モジュールを用いた障害児発達診断システムの開発
Project/Area Number |
61580253
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊沢 秀而 岡山大, 教育学部, 教授 (50014692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫 明仁 岡山大学, 教育学部, 助手 (30144728)
近藤 勲 岡山大学, 教育学部, 助教授 (50033361)
川端 親雄 岡山大学, 総合情報処理センター, 助教授 (90032812)
柳原 正文 岡山大学, 教育学部, 助教授 (00032219)
垂水 共之 岡山大学, 教養部, 助教授 (50033915)
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Keywords | 行動生態 / 障害児 / 発達診断システム / 知能診断 / 行動的知能 / 診断用データベース / 制御診断の論理 |
Research Abstract |
既存の知能診断用諸検査がとっている抽象度の高い人工的な課題設定は、障害児の機能の実態にそぐわないため、日常的行動が示す情報から能力系の診断を図るのが本研究の狙いである。この研究課題として昭和61年度は、まず、この診断目的に有用な行動生態アイテムを収集・系統化する系統分析に着手し、続いて、これらの行動生態を産出する深層の能力系の検出を目的とした、行動生態系・能力系の変換規則の解明へと進めた(研究課題1)。さらに平行して、AV機器のもつシミュレーション機能を駆使した日常環境設定の方法を検討し、この場面構成によって行動的知能を測定する理論およびシステムを準備した(研究課題2)。 1.日常行動生態に標示される知能診断情報の構造分析 当面の対象を精神発達遅滞児に限定して、(1)「遊び 行動の発達系統と診断情報の抽出、(2)社会的行動にみられるルール理解とそのストラテジー、(3)対人距離(スペーシング)に表現される発達情報の検討、(4)動作模倣を通してみた座標系変換の機序、など多領域の行動を追跡し、相関分析により日常行動・能力系相互の発達の構造的連関を探った。この成果として、知能診断用日常行動生態データベースの編成が完了した。 2.行動的知能の検出および診断論理の検討 行動的知能を実動の過程で制御診断する方法を求めるため、(1)調整を課した運動制御系機能の診断、(2)視・運動経験の操作を用いた移動経験の体制化(3)図形模写過程の追跡による短期記憶過程の診断、などの研究を推進した。これらの研究では、行動的知能の理論構成から出発し、具体的で応答機能をもつ環境を実験的に構成し環境適応の過程を追跡した。以上の成績から、日常環境設定の方式を用いた行動的知能検出法の構成が明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 伊沢秀而: 教育工学雑誌.
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[Publications] 伊沢秀而: 岡山大学教育学部研究集録.
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[Publications] 柳原正文: 発達障害研究.
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[Publications] 伊沢秀而: 日本科学教育学会第10回年会論文集. 293-294 (1986)
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[Publications] 伊沢秀而: 日本特殊教育学会第24回大会発表論文集. 600-601 (1986)
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[Publications] 迫明仁: 日本特殊教育学会第24回大会発表論文集. 608-609 (1986)
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[Publications] 迫明仁: 特殊教育学研究.
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[Publications] 柳原正文: 日本特殊教育学会第24回大会発表論文集. S38-S39 (1986)