1986 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエピタキシアル成長法を用いたZnS青色発光ダイオードの実用化
Project/Area Number |
61850004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平木 昭夫 阪大, 工学部, 教授 (50029013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 常正 阪大, 工学部, 講師 (90101279)
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Keywords | MOCVD / ヨウ素添加ZnS / 青色発光ダイオード |
Research Abstract |
GaAs基板上に、減圧MOCVD法を使って、無添加とヨウ素添加のエピタキシアルZnS膜を育成さし、構造的性質と電気的・光学的性質の評価を行ない次のような結果が得られた。 (1)エピタキシアル層の格子定数は膜厚に依存し、膜厚が薄い所では格子定数は応力のため短かくなる。次に、転位が入り、格子緩和された膜厚ではバルワのものに等しくなっている。それ以上の膜厚では、ZnSとGaAsとの熱膨張係数のちがいにより張力が入り、格子定数は短かくなっている。 (2)超高圧電子顕微鏡観察により、(100)GaAs面上のZnS膜では、欠陥濃度が約4×【10^(15)】【cm^(-3)】と非常に少ない良質のものが得られている。 (3)中性ドナーと中性アクセプターに束縛された励起子発光と、2種類の端発光が初めて見い出された。端発光スペクトルの解析からアクセプター準位として約170meVと約130meVが得られ、Naが関与していることが示された。 (4)ヨウ素添加に成功し、ドナー濃度として約【10^(17)】【cm^(-3)】、室温における比抵抗率が約1Ω・cmのものが得られた。 (5)ZnS/GaAsヘテロ接合に電極としてAuを蒸着し、青色発光ダイオードを試作し、I-VとC-V特性を測定し,良好な整流特性を得た。 (6)このダイオードは10V以上の順方向電圧下において発光を示したが、バル7MIS型ダイオードより発光効率が低く、今後、ヘテロ接合界面の格子不整を取り除くようにZnSSeバッファー層をMOCVD法およびALE法により育成し、高効率化をめざす。
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Research Products
(1 results)