1986 Fiscal Year Annual Research Report
走査型トンネル顕微鏡と超高真空走査型電子顕微鏡の同時測定法の開発と応用
Project/Area Number |
61850007
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
市ノ川 竹男 早稲田大, 理工学部, 教授 (70063310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菰田 孜 日立製作所, 中央研究所第4部, 室長
大槻 義彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063649)
大泊 巖 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / SEMとSTMの複合装置 / 表面再配列構造の観察 |
Research Abstract |
走査型電子顕微鏡(SEM)の試料台上に走査型トンネル顕微鏡(STM)のユニットを組込み、金属蒸着膜表面をSEMおよびSTMで同時観測することに成功した。STMのユニットは積層型のピエゾ素子を用い、やぐら型とトライ・ポッド型の2つの駆動機構を用意した。SEM本体は空気バネ上にセットされ、その固有振動数は1Hzであり、STMユニットの固有振動数は夫々6KHzおよび25KHzである。両者を組合せると、数Hzから1KHzの振動に対して、外部振動の振巾を【10^(-5)】以下に減衰させることができ、振動の振巾を0.1【A!°】以下にすることに成功した。チップはWおよびPtを機械研磨したもの、電解研磨したものを用意した。現在はWの機械研磨したものが、最も空間分解能が高く、安定なチップ特性を示している。電気的な制御系は広い周波数帯域で発振することなく動作させるため、位相変換器をとりつけたサーボ回路系を採用した。チップと試料との接近はインチ・オームを用い、10【A!°】のストロークで距離を変化できる。 SEM中(真空:【10^(-7)】Torr)の試料をSEMおよびSTMで観察した。先ず、試料のドリフトを調べた。一次元(X)走査のみを行い、試料上の1つのステップの移動速度を測定した。機械的に粗動したあと、STMユニットはピエゾ素子でクランプされるが、粗動直後はピエゾ素子のクリープで80【A!°】/minのドリフトが観測された。2時間連続測定後は3【A!°】/min以下になった。二次元STM像を研磨した銅板、マイカ上のAuの蒸着粒子、ガラス上のAu-Pd膜およびSi(111)の高温フラッシュ面について測定し、数10【A!°】、高さ数【A!°】のAu-Pd粒子の島を再現性よく記録し、位置分解能は現在1【A!°】に到達している。Si(111)面では1原子層の高さのステップが測定できた。初年度から、原子像の観察の可能性もあり、2年度からは超高真空SEMにSTMを組込んで再配列構造の研究が行われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Ichinokawa;Y.Ishikawa;M.Kemmochi et al.: Surface Science. 176. 397-414 (1986)
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[Publications] H.Ampo;S.Miura;A.Tamura;T.Ichinokawa: Phys.Rev.B. 34. 2329-2335 (1986)
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[Publications] K.Kato;T.Ide;A.Tamura;T.Ichinokawa: Phys.Rev.Letter. (1987)
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[Publications] T.Ichinokawa;Y.Ishikawa;Y.Hosokawa;I.Hamaguchi: Surface Science. (1987)
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[Publications] A.Iakari;R.Yokoi;Y.Ohkawa;A.Tamura;T.Ichinokawa: Surface Science. (1987)