1986 Fiscal Year Annual Research Report
計算機支援による内燃機関燃焼系の最適化設計手法の開発
Project/Area Number |
61850037
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
広安 博之 広島大, 工学部, 教授 (40034326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 三郎 中国工業技術試験所, 機械金属部システム工学研究室, 主任研究官
住本 哲宏 中国工業技術試験所, 機械金属部システム工学研究室, 室長
西田 恵哉 広島大学, 工学部, 助手 (90156076)
新井 雅隆 広島大学, 工学部, 助教授 (80112176)
|
Keywords | 計算機支援設計 / CAD / 内燃機関 / 燃焼 / シミュレーション / 最適化 |
Research Abstract |
ディーゼル燃焼のシュミレーションプログラムを開発していくうえで重要な噴霧の蒸発、混合気形成過程に関する知見を得るため、本試験研究で購入した汎用画像処理システムと、独自に開発した噴霧のシュリーレン写真とシャドウグラフの画像解析プログラムを使用して、噴霧内の燃料蒸気濃度の定量化解析を行った。すなわち、噴霧のシュリーレン写真には(A)燃料蒸気の発生により屈折した光がシュリーレンストップでカットされることによる画像濃度と、(B)燃料液滴により透過光が散乱することによる画像濃度を含んでいる。一方、噴霧に焦点を合わせて撮影したシャドウグラフの場合には(A)は無く(B)のみが含まれている。従ってシュリーレン写真とシャドウグラフの画像濃度の差分をとり、これを解析することにより噴霧中の燃料蒸気濃度を求めることができる。この手法を、まず高圧、高温雰囲気中(3.1MPa,773K)の軸対称軽油噴霧に適用し、以下のような知見を得た。1.噴霧中の燃料蒸気濃度の半径方向分布はくら形であり、噴射開始からの時間が長くなると山形分布に近づく。2.燃料蒸気濃度の噴霧断面内平均値の軸方向分布は噴霧先端より少し上流側(ノズル側)で極大値をとる分布形となる。次に、常温、常圧雰囲気中で横風を受けて流されているフレオン噴霧中の燃料蒸気の分布を,上記の画像解析法にコンピューティッドトモグラフィ(CT)のアルゴリズムを導入することにより求め、以下のような知見を得た。1.横風を受ける噴霧の断面形状は周辺部が横風下流側に流されて円形から肝臓形に変化する。2.噴霧中の燃料蒸気の方が液滴より大きく横風下流側に流される。 今後は以上の知見をもとにディーゼル燃焼のシミュレーションプログラムを改良し、設計パラメータを変化させた場合の性能変化をコンピュータ上で見ることができるようにする予定である。
|