1988 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙用マニピュレータ操作者のためのトレーニングシステムの開発研究
Project/Area Number |
61850041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 宏文 東京大学, 工学部, 教授 (50010682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 督 東芝, 機械研究所, 主事
飯倉 省一 東芝, 機械研究所, 主助研究員
下山 勲 東京大学, 工学部, 助教授 (60154332)
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Keywords | 宇宙用マニピュレータ / フレキシブルマニピュレータ / 弾性マニピュレータ / ロボットシミュレータ / 弾性アーム |
Research Abstract |
本年度は最終年であるため、研究結果を総合的にまとめる作業が中心であった。1年目はスレーブマニピュレータを、2年目にはマスタマニピュレータを製作したので、最終年度はこれらを組み合わせて種々の実験を行った。このような低鋼性系の操作システムに関する研究はこれまで殆どなされていない。力学解析、弾性リンク間の速成振動、曲げとねじり振動、アクチュエータと振動センサの配置、振動制御アルゴリズム、たわみ誤差の補償、位置と力の双方向伝達、自動操作モードなど、考察されるべき問題は数多くある。しかも各問題が関連し合うので、各要素をすべて十分に考慮しなければよい操作系は達成できない。 本研究では、柔軟アームのモデリング、振動のアクティブ制御、たわみ量による位置・姿勢誤差の補償、マスタ・スレーブ系のバイラテラル制御について詳しく検討し、操作性のよいシステムの構築を可能にできたのである。また試作したマニピュレータによるマスタ・スレイブ系の操作実験においては、以上の議論の妥当性と有効性を示すことができ、実用的にも有意義な結果が得られたと考えられる。 本研究成果の大きな特徴は、リアルタイムに取り扱うことができるような柔軟マニピュレータのモデリングを行ったことで、準動的モデルと呼ぶことにしている。従来の方法は、偏微分方程式を適当な振動次数で打ち切った解を有限要素法などで解くものが多いが、それらはリアルタイム制御には応用不可能である。本研究のものは、柔軟アームの質量を無視し、両端のみの質量を考慮し、曲げ変形は静的な曲げ曲線を適用するものである。この準動的モデルを大前提とした理論構築に成功したことが、本研究の大きな成果であった。また、装置としては、曲げとねじりを独立に制御するように冗長なアクチュエータをつけ加えたことも特徴と云えよう。
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