1986 Fiscal Year Annual Research Report
AEによるコンクリート構造物の破壊箇所の識別と破壊レベルの予測法の開発
Project/Area Number |
61850084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐武 正雄 東北大, 工学部, 教授 (50005188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山ノ内 正司 福島工業高等専門学校, 講師 (80132570)
新関 茂 東北大学, 工学部, 助手 (30005524)
田野 久貴 日本大学, 工学部, 助教授 (00059700)
岸野 佑次 東北大学, 工学部, 助教授 (00005448)
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Keywords | アコーステック・エミッション / コンクリート / 破壊レベル / 劣化 / 海水 / 凍結融解 / アルカリ骨材反応 / カイザー効果 / 位置標定 |
Research Abstract |
本研究は、コンクリートの劣化についてのAEの新しい工学的応用を開発することを目的として行っている。本年度内における主要な研究成果を列挙すれば次の通りである。 1.地震時などにコンクリート構造物が受けた最大履歴応力を解析することを目的とし、載荷速度がカイザー効果に及ぼす影響に関する検討を実験的に行った。実験に用いた載荷速度は、0.9t/分,3.6t/分,5.4t/分の3種類であるが、載荷速度が速い方が明瞭なカイザー効果が観察される傾向にあった。しかしながら、載荷速度が速くなるにつれて、供試体の側面に載荷方向に沿って、2〜3本のクラックが生じたもの及び終局強度はそれ程低下せず供試体の形状を保っているが載荷軸と斜め方向にクラックが生じ損傷が著しいものではカイザー効果は不明瞭であった。また、従来の研究によれば、最大履歴応力が終局強度の80%を越えるとカイザー効果は不明瞭になることが指摘されているが、最大履歴応力が80%を越えても、載荷速度が速いほど明瞭なカイザー効果の生じることが明らかになった。したがって、上記のような観点から考える限り、地震時に構造物が受けた最大履歴応力の推定へのカイザー効果の応用は有望と考えられる。 2.アルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化を評価することを目的とし、ASTMの規準に従がってモルタル供試体を作成し、AEの計測を行った。モルタルの打設2〜3日後より顕著なAE現象が観察され、特に、温度勾配があるような還境下では、通常の骨材を用いて作成したモルタル供試体と比較し、AE事象の発生頻度が著しく高かった。 その他、凍結融解、海水のコンクリートに及ぼす影響及び3次元AE位置標定の精度に関する検討などを行った。
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[Publications] 新関茂: Progress of Acoustic Emission. 【III】. (1986)
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[Publications] 西間木郎: 土木学会第41回年次学術講演会概要. 【I】. 487-488 (1986)
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[Publications] 田野久貴: 土木学会第41回年次学術講演会概要. 【V】. 109-110 (1986)
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[Publications] 渡辺英彦: 土木学会第41回年次学術講演会概要. 【V】. 111-112 (1986)
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[Publications] 藤田昌宏: 土木学会第41回年次学術講演会概要. 【V】. 119-120 (1986)
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[Publications] 近藤克己: 土木学会第41回年次学術講演会概要. 【V】. 125-126 (1986)
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[Publications] 山ノ内正司: 土木学会年次学術講演概要. 【V】. 127-128 (1986)
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[Publications] 兼森寛明: 東北支部技術研究発表会講演概要. 378-379 (1987)
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[Publications] 渡辺英彦: 東北支部技術研究発表会講演概要. 380-381 (1987)
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[Publications] 近藤克巳: 東北支部技術研究発表会講演概要. 382-383 (1987)
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[Publications] 三浦直之: 東北支部技術研究発表会講演概要. 384-385 (1987)
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[Publications] 佐藤世一: 東北支部技術研究発表会講演概要. 424-425 (1987)
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[Publications] 阿部則元: 東北支部技術研究発表会講演概要. 426-427 (1987)