1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850087
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西村 昭 神戸大, 工学部, 教授 (00031039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊川 春三 川崎製鉄株式会社, 研究開発センター施工研究室, 課長
牛尾 正之 日立造船株式会社, 技術研究所, 嘱託
江見 晋 阪神高速道路公団, 工務部設計課, 課長
藤井 学 神戸大学, 工学部, 助教授 (30031074)
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Keywords | 高力ボルト摩擦接合 / 現場継手 / 亜鉛めっき / 亜鉛溶射 / 継手のクリープ / ボルト軸力の経時変化 |
Research Abstract |
本年度では、摩察接合部の摩察面の処理条件の影響を明らかにするため、亜鉛めっき(めっき厚:2水準)及び亜鉛溶射の場合について、持続荷重下におけるせん断クリープに関する梁供試体の実験、並びに静引っ張り供試体についてすべり耐力とボルト軸力の経時変化に関する実験を行った。得られた新たな知見を列挙すると次のようである: (1)設計すべり耐力の1/2程度の持続荷重では、少なくとも本試験の最終測定時点である2ケ月までは、経過時間の対数に対してほぼ直線的にせん断に変形(せん断クリープ)が進行し、最終測定時での大きさは(1)無処理(3μ)<(2)亜鉛溶射(6μ)<(3)亜鉛めっき(18μ)の順で、本試験の範囲では設計上ほぼ考慮の必要がないものと考えられる。 (2)ボルト軸力は、経過時間の対数に対してほぼ直線的に減少し、その大きさは軸力導入直後に対して最終測定時点では、(1)無処理(約93%)>(2)亜鉛めっき(85〜87%)>(3)亜鉛溶射(約81%))の順で、ボルトの等級や本実験でのめっき厚の差などにはあまり影響を受けなかった。 (3)すべり耐力は、(導入直後の軸力に対するすべり係数では)時間の経過とともに当初は低下するが、亜鉛めっきではその後再び上昇する傾向を示した。すなわち、ボルト軸力の経時変化を考慮して求めた各時点での摩察係数は、ほぼ横ばいから、亜鉛めっきではある時点から上昇する傾向を示していることが分った。 なお、今後の予定については、今回得られた知見を参考にしつつ、さらに持続荷重試験を継続し、同時に防錆材継手全般についての持続荷重に対する挙動、並びにそれが全体構造系に及ぼす影響を明らかにし、防錆材継手の合理的設計法を確立する。
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