1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850110
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石島 洋二 北海道大学, 工学部, 助教授 (10011115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 章 北海道大学, 工学部, 助手 (60125333)
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Keywords | DSCA法 / 初期地圧 / かぶり圧 / 遷移圧 / 圧力-ひずみ線図 / 地圧を取り込んだ人造岩石 / 堆積岩 / 火成岩 |
Research Abstract |
現在までに、28個の天然岩石供試体、3種の人工岩石を用い、DSCA法の妥当性を検討するための研究を実施してきた。これまでに得られている主な知見を以下に箇条書きに示す。 1.天然岩石の静水圧縮下の挙動とDSCA法の妥当性 立方体状供試体に方向を違えて貼付した12枚のひずみゲージの計測より得られた圧力-ひずみ線図は、或る大きさの圧力(遷移圧)を境に折れ曲る 2直線で近似できることがわかった。遷移圧は方向によらずほぼ一定で、また、全供試体の70%はその大きさがかぶり圧に一致した。 堆積岩ではこの折れ曲りが顕著であるのに対し、強度の大きな火成岩では明瞭でないことも明らかになった。 次に、折れ曲り前後の圧力-ひずみ線図の傾きに基づくDSCA法による初期地圧推定の結果について述べる。全供試体の約半数は推定した主応力の方向が原位置測定で求めた結果に一致するものの、主応力比に関してはほとんど一致した結果が得られなかった。要するに良い成績が得られなかったわけで、現在、供試体の採取方法、初期地圧が取り除かれてから試験終了までの時間の影響といった観点から、この原因を究明しているところである。 2.人造岩石の静水圧縮下の挙動とDSCA法の妥当性 モルタルを圧力容器の内部で加圧しながら固結させ、既知の応力を取り込んだ人造岩石を作り、これを用いてDSCA法の妥当性を種々検討しようとした。現在までに3種の人造岩石を試作したが、これらはいずれも、作用させる圧力の増大と共に剛性が低下するという、天然の岩石とは逆の挙動を示し、したがって、DSCA法を検証するという目的を達成することができなかった。天然に近い挙動をする、地圧を取り込んだ人造岩石の作製を模索中である。
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