1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 佶 東北大, 工学部, 助教授 (10005499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 工学部, 助手 (90180562)
酒井 昇 東北大学, 工学部, 助手 (20134009)
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Keywords | 浮選プロセス / PH制御 / モデル規範型適応制御系 / ロバスト性 / 状態観測器 |
Research Abstract |
本研究では浮選プロセスのPH制御を目的としているが、克服しなければならない問題点が2つある。第1はプラントの動特性変動への適応性で、第2はプラントに加わるノイズに対するロバスト性である。適応制御を用いた場合、状態を推定しながら制御を行っているので、第1の課題については問題ない。しかし、第2の課題すなわちプラントにノイズが加わった場合、状態推定に影響し、ロバスト性の悪いものになってしまう。そこで、本年度ではノイズに対するロバスト性の改善策について検討を行った。 まず、モデル規範型適応制御系(MRACS)のロバスト性の改善について検討した。本研究で取り扱うプラントの入出力値等の信号はノイズにより汚染される。この信号をもとに制御や状態推定を行うので、ノイズ成分を除去する必要がある。そこで、フイルターを用いて、ノイズ成分の除去を試みた。しかし、ノイズの成分は多種多様な系列から成っおり、単純なフィルターによってはノイズの完全な除去はできないことがわかった。次に、状態推定においてノイズの影響が軽減できるように、状態観測器の感度を低下させることを検討した。すなわち、状態推定が不十分な間は感度を高くし、プラント状態をほぼ推定したと判断できる段階で、状態観測器の感度を低下させることとした。この状態観測器をMRACSに適用し、シュミレーション計算を行ったところ、ノイズの影響を軽減できることがわかった。 次に、その他の適応制御法(セルフチューニング・レギュレータ(STR)、セルフチューニングPIDコントローラなど)についても検討したが、これらは適用が容易であり、ノイズの影響を軽減できることがわかった。 今後は過酷な条件において、各制御法(MRACS,STR,セルフチューニングPIDコントローラ,PIDコントローラなど)の性態の比較を行う。
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