1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西松 裕一 東大, 工学部, 教授 (70010741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 政雄 東京大学, 工学部, 助手 (00011172)
大久保 誠介 東京大学, 工学部, 助教授 (90092155)
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Keywords | 岩石 / 切削 / 高圧水 / 噴流 |
Research Abstract |
ビット後方より水ジェットを噴射しながら切削を行うことによって、主分力,背分力ともかなり低下することがわかった。両者の減少率はともにビットの摩耗が進むにつれ大きくなる傾向が見いだされた。ビットが摩耗するにつれ背分力が顕著に増大することはよく知られている。そこで、水ジェットを併用しない時の背分力を横軸にとって整理してみたところ、主分力,背分力の減少率は、背分力にほぼ比例することが見い出された。 実際に現場に適用する場合、特に重要と思われるビット寿命は、水ジェットを併用することによってほぼ3倍となることがわかった。ただし、この結果はSCM製のビットを用いた場合であり、現在しばしば使用される超硬チップ付のビットに関しての検討は今後の課題である。 今回使用したノズルでは、水圧100MPaの時の流量は約4l/minであった。これより水馬力(圧力・流量)を計算すると、約6.7kwとなる。他方、主分力7kN,切削速度0.36m/sとして、切削動力を計算すると約2.5kwとなる。これよりわかるように、現状においては、切削動力に比べ水馬力が相当に大きく、水ジェットによって切削動力がかなり減少したとしても、全体として動力の節約になりそうもない。しかしながら、機械化掘削において、通常、動力費の全体のコストに占める割合は比較的少なく、水ジェット併用掘削によって能率が向上し、ビット寿命がのびれば、全体の掘削費用は低下する可能性も大いに有り得ると思う。 今回の実験において最も工夫を要したのは、ノズルまわりのアセンブリであり、アプローチとノズルとの芯合せは特に精度よく行う必要のあることがわかった。実機に応用する場合には、アプローチとノズルを一体化し、組立,調整の手数を軽減することが望ましいと思われる。
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