1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤中 雄三 京大, 工学部, 教授 (50025855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早崎 清志 神鋼鋼線工業(株), 研究開発部, 研究員
杉井 謙一 (株)神戸製鋼所, エンジニアリング事業部, 係長
塚田 和彦 京都大学, 工学部, 助手 (10179971)
花崎 紘一 京都大学, 工学部, 助教授 (20026123)
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Keywords | 応力測定 / 弦振動法 / 非破壊検査 / 静ひずみ測定 |
Research Abstract |
露天使用の大形構造部材応力の長期間にわたる静応力測定に適する新しい計測方法を開発することが本研究の目的で、当初の研究実施計画に沿って進めた研究実績は下記のようである。 1.張弦されたステンレス鋼線の弦振動挙動には、物理学的に純粋な振動形態を示す領域と、それから逸脱して複雑な補正を施さなければ正確な挙動を表現できない領域とがあり、それらの境界を支配する要件はまだ十分明らかでない。しかし振動振幅に伴って変化する弦張力,線密度の不均一性,振動弦への空気抵抗,線の横断面積内での重心位置の非中心性などが及ぼす影響を考慮した結果、測定のための励振力の形をよく制御し、弦振幅を可及的に小さくして行うべきことの重要性が明らかとなった。 2.当初ステンレス鋼線のもつ磁性を利用して振動加速度を得る励磁方式での計画を立て、その方式で進めているが、これと併せて要すれば弦に鉄片またはフェライトの小片,さらに磁化したフェライトの小片を固着しておき、励振用電磁石と弦との電磁結合を密にする考えも生じてきたので目下その双方について検討を行っている。フェライト磁石を用いる場合は電磁結合の有極性によって振動波形もその周波数も現在研究を行っている方法とは異なった特徴あるものとなるので、それによって本研究の目的のために良い効果が現われることを期待している。 3.弦振動周波数の長期安定性については未だはっきりした見識が持てない状態である。弦について内部性外部性のあらゆる状態変化が振動周期に影響し得るから、問題の部材の応力以外のすべての条件が同一になるようにした比較用の標準弦との差を用いるいわゆる外部比較式の差動方式をとることが本研究の計測方法の主体になると考えている。
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