1988 Fiscal Year Annual Research Report
半溶融複合加工法による金属ーセラミックス系新構造機能性材料と製造・加工技術の開発
Project/Area Number |
61850123
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
木内 学 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 賢 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60092243)
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Keywords | 表面改質鋼板 / 積層複合鋼板 / 制振鋼板 / 構造機能性材料 / めっき鋼板 / 半溶融加圧焼結 / 半溶融圧延 |
Research Abstract |
63年度では、61、62年度の研究を継続し、実験範囲の拡大を図るとともにデータの蓄積・整理を進めることを目的とし研究を行った。具体的には、半溶融複合加工法により 1.表面改質型複合鋼板の製造技術の開発 2.積層複合鋼板(制振鋼板)の製造技術の開発 に取り組み、概略、以下の知見を得た。 1では、(1)めっき鋼板のめっき層を半溶融状態に加熱することによりこれをセラミック粒子・繊維との複合化のためのマトリックスとして、あるいはまた他の金属粉との複合化・合金化のための成分金属として、更に他の板材等との接合に際しての接着剤として利用することが可能であること。(2)特に、鋼板の表層の非金属・非鉄金属を用いて改善する場合には、めっき層を利用することが有効であること。(3)半溶融加圧焼結法・半溶融圧延法を適用し、かつ各種セラミック粉・金属粉を用いてめっき層の改質をはかることにより、従来のめっき技術では得られない表層機能を有する複合鋼板を製造できる可能性があること。 また、2では、(1)半溶融加圧焼結・半溶融鍛造・半溶融圧延を複合的に適用し、且つめっき層の半溶融状態下の特性を利用することにより、3層構造を持つ各種の複合鋼板を製造できること、(2)亜鉛めっき鋼板を外板とし、亜鉛粉と黒鉛粉を中間層とする3層積層構造を形成することにより、単独の鋼板に比較して1桁高い損失係数を持つ制振特性の良好な複合鋼板を製造できること、(3)中間材を用いる替りに、相対向するめっき層に条溝を付加する、あるいは中間層として金属網を用いる、などの方法により、めっき層どうしを部分的に接合し、界面に空隙を計画的に発生させることにより、複合鋼板の制振性が高められること、(4)得られた複合鋼板は良好な接合強度および二次加工性を有しており、通常行われる程度の曲げ加工には供し得ること、などを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 木内学 他: 材料とプロセス(日本鉄鋼協会). 441 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 昭和63年度塑性加工春季講演会論文集. 163-166 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 第114回塑性加工シンポジウム. 13-22 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 昭和63年塑性加工春季講演会論文集. 167-170 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 第39回塑性加工連合講演会論文集. 581-584 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 材料とプロセス(日本鉄鋼協会). 1477-1480 (1988)
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[Publications] 木内学 他: 日本機械学会第689回講演会. 1-6 (1988)