1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850136
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小野 光弘 山形大, 工学部, 助教授 (60007010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 仁 山形大学, 名誉教授
鈴木 道也 山形大学, 工学部, 教授 (40006961)
藤井 金苗 日本電子株式会社, 分析技術開発本部, 係長
謝 国章 山形大学, 工学部, 助手 (70007219)
尾形 健明 山形大学, 工学部, 助教授 (50091830)
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Keywords | 超短寿命ラジカル / パルス電子スピン共鳴 / ESR |
Research Abstract |
超短寿命ラジカル検出用ESRシステムの試作に関する研究を行ない次の結果を得た。 1.システム全体および細部(マイクロ波回路、パルス回路など)の設計を行ない、マイクロ波パルス発生受信装置を新日本無線(株)に、パルス発生器を(株)アドバンテストにそれぞれ製作を依頼して、完成させた。主な性能は次の通りである。 (1)マイクロ波パルス発生受信装置 周波数1.0〜1.2GHz,マイクロ波パルス幅20μs,パルス電力800W (2)パルス発生器 パルス幅20ns〜1μs,パルス立上り・立下り時間1ns,出力4チャンネル 2.パルスESR装置に必要な共振器についての検討を行った。従来のCW(連続波)法では、試料を挿入する共振器は単峰特性の高Qのものであればよかったが、パルス法では広帯域多峰特性の共振器が有利であることが判明した。このために多峰特性の共振器について実験を行った。 3.高感度化のためには、マイクロ波のC/N(搬送波対雑音比)を良好なものにしなければならないが、1.に述べた発振器にはPLL方式を用いているので雑音が多い。このために、キャビティ方式の低雑音発振器についての基礎実験を行い、良い結果を得た。 次年度は、パルススピンエコーおよび自由誘導減衰信号の検出によるパルスESRの測定を行うと共に、高感化のためのコンピュータを用いた積算処理、コンピュータオンラインによるデータの高速処理法を確立して、超高感度、短時間測定の可能なシステムとする。
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