1986 Fiscal Year Annual Research Report
半導体-有機物複合材料の光劣化機構の解明と高耐候性有機コーティング材料の開発
Project/Area Number |
61850146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤嶋 昭 東大, 工学部, 助教授 (30078307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 裕 日本ペイント(株), 技術センター, 課長
加藤 民彦 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (90024257)
前川 悦朗 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00024141)
伊藤 公紀 東京大学, 工学部, 助手 (40114376)
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Keywords | 光触媒 / 光電気化学 / 光界面 / 半導体電極 / 酸化チタン |
Research Abstract |
ペイント中に含まれているTi【O_2】等の半導体粉末は有機バインダーにおおわれているが、光励起下ではTi【O_2】の光触媒作用に起因して塗面の安定性が減少する可能性が指摘されている。そこで光励起半導体表面の有機物の挙動を詳しく調べた。すなわち半導体への光照射によって生ずる反応性の高い電子正孔対と表面種とのレドックス反応に対してかなりの研究成果を得ることができた。半導体一有機物複合材料の耐光性は最重要なものの一つであるが系を単純化した光触媒系を用い、半導体粉末への光照射による反応性発現、すなわち光触媒活性発生の機構を明瞭にすることができた。さらに複合材料の耐光性は光生成キャリヤーの再結合をいかに促進するかによって決まることも確かめ また光触媒活性の小さい粉末の選別技術は実際の材料設計の上で極めて重要であることもわかった。 特に強調すべき成果として、次の2点があげられる; 1.有機塗料中における光触媒反応の解析: 酸化チタン,酸化亜鉛を含む塗料への光照射によって生ずる生成物をガスクロマトグラフ,マススペクトロメーターなどによって定性定量を行ない、またESRにより中間生成物としてのラジカル種を検出し、反応機構を検討した。 2.半導体粉末の光触媒活性制御: 半導体粉末の光触媒活性評価法として幾つかの有機物の分解を光電気化学的に調べた。半導体粉末に種々の処理を施し、反応活性の変化を見た。また光電極挙動と光触媒能の相関を明らかにした。 以上の結果をふまえ、次年度はさらにペイントの光劣化の機構解明をおこない、優れたコーティング材料開発に向けて研究する。
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[Publications] C.M.Braun: Surface Science. 176. 367-376 (1986)
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[Publications] A.Matsunaga: J.Electoanal.Chem.205. 343-346 (1986)
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[Publications] C.M.Braun: J.Electroanal.Chem.(1986)
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[Publications] M.Okano: chem.Lett.469-472 (1986)
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[Publications] K.Itoh: Thin solid Films. 144. L115-L117 (1986)
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[Publications] R.Baba: Chem.Lett.1307-1310 (1986)
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[Publications] R.Baba: J.Electroanal.Chem.213. 319-321 (1986)
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[Publications] M.Okano: J.Appl.Phys.