1986 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換膜電極接合体を用いる有機電解合成用多目的電解槽の開発
Project/Area Number |
61850147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹原 善一郎 京大, 工学部, 教授 (00025892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 聖志 京都大学, 工学部, 助手 (30169552)
小久見 善八 京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
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Keywords | SPE / SPE電極 / プラズマ / 化学めっき |
Research Abstract |
白金を結合したナフィオンに銅を電気めっきして作製したCu,Pt-Nafionを用いると、ニトロベンゼンは95%以上の電流効率で選択的にアニリンに還元される。しかし、回分式電解槽で反応率を約60%にまで上げると、その電流効率は60%前後にまで低下した。その原因は、アニリンの蓄積とともに、膨潤したナフィオンを通してのアニリンの浸透の速度が増大することによるものと考えられた。集電体として炭素材料の使用の可能性を検討した。カーボンフェルトは炭素繊維間の結合材料として使われている有機物が電解中に分解し、フェルト自体が崩壊して使用することができなかった。一方、いくつかの種類のカーボンクロスは実験条件の下で安定であり、集電体として使用できることがわかった。しかし、カーボンクロスはフェルトに比べて空隙率が低いので、集電体中の物質輸送に遅れを生じる懸念があり、今後その検討が必要である。電解槽の構成材料として鉄系材料の表面にプラズマ重合によってフッ素系の重合被覆層を形成させることを試みた。トリフルオロクロロエチレンを用いてプラズマ重合を行い、ステンレスやガラス基板上に重合膜を得た。ガス供給速度,ガス圧力,電力,基板位置などのプラズマパラメーターの生成膜に及ぼす影響を、購入したFT-IRを用いて検討している。従来背面透過法によって電極金属をナフィオンに結合させていたが、析出量を制御しやすくするため、吸着めっき法の採用を検討した。その結果、水素化ホウ素ナトリウムを用いてその濃度,温度を調整することによって良好な結合膜を得られることがわかった。
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