1988 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換膜電極複合体を用いる有機電解合成用多目的電解槽の開発
Project/Area Number |
61850147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹原 善一郎 京都大学, 工学部, 教授 (00025892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 聖志 京都大学, 工学部, 助手 (30169552)
小久見 善八 京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
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Keywords | SPE / SPE電極 / 有機電解 / イオン交換膜 / 液流通型電解槽 |
Research Abstract |
カチオン交換膜であるナフィオンは化学的に安定なためにSPE電極として優れているが高価であり、また、非常に強い酸である。そこで、安価で酸性の余り強くない炭化水素系のスルホン酸膜のSPE材料としての可能性を前年度に引続き検討した。その結果、ニトロベンゼンの還元の系では多孔性電極材料として銅を直接交換膜に析出させて用いることができた。しかし、このSPE電極ではアニリン生成の電流効率はNafionを用いた場合よりも低くなった。この場合、二量体生成物が生成した。これは、炭化水素系の膜の酸性が低いために副反応が進行したことによる。この炭化水素系SPE電極の表面を酸性の強いNafion溶液で被覆することによって反応サイトの酸性が上がり、アニリンを選択性よく与えた。炭化水素系の膜を用いて長時間電解を行い、Nafionを用いた場合と比較した。その結果、炭化水素系の膜では電解初期の効率の低下が著しいがその後の低下は少なく、長時間ではNafionの場合と大きな差は認められなかった。 有機物のNafion中の透過を抑え、また、ナフィオンの表面を改質するためにプラズマ処理をした。酸素スパッターによって表面の架橋が起こる。しかし、この処理によってイオン伝導性が低下する。 CuーPtーNafionを用いて液流通式電解槽を用いてニトロベンゼンの還元を行いアニリンの電流効率を調べた。SPE電極1枚を用いた1スタックセルと2枚用いた2スタックセルを作製した。50%ニトロベンゼンのメタノール溶液をカソード室に、純水をアノード室に流通させて電解した。1スタックの電解槽では電流効率75〜80%でアニリンが生成した。一方、2スタックにすると電流効率は約5%低下した。電解電圧はやく8Vで安定であった。
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[Publications] Zen-ichiro Takehara;Zempachi Ogumi: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 61. 4183-4187 (1989)
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[Publications] Zen-ichiro Takehara;Zempachi Ogumi: Electrochimica Acta. 33. 365-369 (1988)