1986 Fiscal Year Annual Research Report
高活性有機典型金属化合物触媒による新規な環状カーボナート製造研究
Project/Area Number |
61850152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 治和 阪大, 工学部, 教授 (20028963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 良紀 大阪大学, 工学部, 助手 (00156233)
馬場 章夫 大阪大学, 工学部, 助手 (20144438)
千成 睦夫 三菱油化株式会社, 研究部長
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Keywords | 環状カーボナート / 二酸化炭素 / オキシラン / 有機スズ錯体触煤 |
Research Abstract |
用途の多様化に伴ない様々な置換基による修飾が必要とされつつある環状カーボネートの製造用触煤の開発を目的とし、初年度にあたる今年は、温和な条件下においても高い活性を有する高性能触煤の探索を行った。その結果ある種の有機スズヨウ化物錯体がすぐれた効果を示すことを見いだした。以下にその概要を示す。 1.高活性化の検討 適当な配位子(トリフェニルホスフィン,トリフェニルホスフィンオキシド,ヨウ化テトラブチルホスホニウム)により錯体化された【Bu_3】SnI,【Bu_2】Sn【I_2】が非常に高い触煤活性を発揮し、二酸化炭素とオキシランとの付加反応を温和な条件下で著しく促進した。その結果、従来200℃の温度を必要としていたカーボネート合成が40℃で実施可能となった。スズ化合物と配位子の組み合わせ方により活性が大きく変化することにより、錯体の構造や安定性が活性の発現に大きく関与していることが判明した。なお錯体の構成成分単独では全く活性を示さず、錯体化が必須条件であることも興味深い。 2.錯体触煤の中性度に関する検討 不安定なカーボナートの製造のためには、触煤の酸性度が低いことが重要な条件となる。触煤の中性度をはかる尺度として、酸,塩基により容易に重合するカーボナートであるトリメチレンカーボナートを用い、各種錯体触煤存在下における重合の度合いを調べた。スズハライド単独では、ほぼ完全に重合が進行するのに対し、錯体化触煤では重合は強く抑制された。特に【Bu_3】SnIと【Bu_u】PIとから形成される錯体はほとんど重合活性を示さなかった。現時点ではこの錯体が中性で、かつ最も活性の高いすぐれた触煤と判断される。
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Research Products
(1 results)