1986 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ(N-アシルエチレンイミン)を基本構造とする新しい非イオン性高分子界面活性剤
Project/Area Number |
61850161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三枝 武夫 京大, 工学部, 教授 (80025824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 将人 京都大学, 工学部, 助手 (20179253)
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Keywords | 非イオン性界面活性剤 / パーフルオロアルキル基 / 2-オキサゾリン / 開環重合 / ブロック共重合 |
Research Abstract |
表題の非イオン性界面活性剤はフルオロアルキル基を有する2-オキサゾリン(【1!〜】)と,2-メチル-2-オキサゾリン(【2!〜】)のブロック共重合体であり、【1!〜】のポリマーブロックを疎水基,【2!〜】のポリマーブロックを親水基として持つものである。ブロック共重合に先立ち【1!〜】のモノマー合成と開環重合を行い,その反応性を検討した。【1!〜】としてはパーフルオロエチル(【1a!〜】),パーフルオロプロピル(【1b!〜】),パーフルオロヘプチル(【1c!〜】),及び1,1,2,2,3,3,-ヘキサヒドロパーフルオロウンデシル-2-オキサゾリン(【1d!〜】)を合成した。これらのp-トルエンスルホン酸メチル(【3a!〜】)及びトリフルオロメタンスルホン酸メチル(【3b!〜】)を開始剤として用いた開環重合を検討した結果、以下のような知見を得た。 1.【1a!〜】【1b!〜】【1c!〜】は求核性が乏しく,また重合活性種のオキサゾリニウム塩は非常に反応性が高い。それ故,求核性の弱い溶媒(ニトロメタン)中で強い求電子剤(【3b!〜】)を用いることによってのみ,温和な条件下で重合可能である。 2.開始剤に由来する生長末端の対アニオンに求核性がある場合)【3a!〜】),生長末端は共有結合種となり、この場合重合に、より高温が必要とされる。 3.【1c!〜】【1d!〜】の重合体は溶解性に乏しく,重合系から析出するため、高重合度のものが得られない。また通常の溶媒類に不溶である。 4.【1a!〜】【1b!〜】の重合体は溶解性も良く、また疎水性も充分高い。接解角測定ではこれらのポリマーはテフロン並みの揆水性を示した。 これらの知見をもとに【1a!〜】【1b!〜】と【2!〜】とのブロック共重合を検討した。各モノマーの反応性の特徴から,先に【1!〜】の重合を行い,続いて【2!〜】を加えることによりブロック共重合をおこなった。現在各ブロック鎖長の最適化を検討している段階であるが、1wt%水溶液の表面張力が32dyne/cmのブロック共重合体が得られている。
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Research Products
(1 results)