1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古崎 新太郎 東大, 工学部, 教授 (40011209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 英世 古河電工, 光ファイバ研究室, 主任
上山 惟一 東京大学, 工学部, 講師 (10092149)
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Keywords | 火炎 / 微粒子 / 熱泳動 / 粒子速度 / レーザドップラ / 冷却面 |
Research Abstract |
VAD(Vapor Axial Deposition)火炎中のSi【O_2】微粒子は0.5M程度以下と言われておりレーザ散乱光強度は非常に小さい。また火炎中の粒子数密度は非常に高い。このような場合、通常のレーザドップラ流速計では粒子速度の実測は困難なことが予想される。本研究では2Wの【Ar^+】イオンレーザを用い、散乱光強度の時間変動をフーリエ変換処理することにより、微弱なドップラ信号の集団の中から主要なドップラ周波数を見出して粒子の速度と対応させた。この測定法により得られた粒子速度は、供給ガスの線速度および火炎中の温度上昇によるガスの膨張を考慮しても妥当な値であった。実験系としては、冷却面に垂直に当るVAD火炎を用い、冷却面近傍における粒子の速度分布を測定し、同時に火炎中の温度分布を熱電対により測定した。速度分布の測定は冷却面から0.5mmの位置まで行った。冷却面近傍では温度勾配の熱泳動効果により粒子が壁面へ向って移動すると考えられるが、粒子の線速度が1m/s以上であるのに対して熱泳動速度は1cm/sのオーダーであり、冷却面近傍での熱泳動速度の実測は不可能であった。この為、冷却面に平行な速度成分および冷却面から1〜5mm離れた位置における垂直方向の速度成分の実測値を用いて、平面に垂直に当たるガス流の速度分布を算出し、測定した冷却面上の粒子付着部分の広がりとの比較から粒子の熱泳動速度を求めた。本年度の研究成果は以下のようにまとめられる。 1.VAD火炎中の粒子速度を測定するために高速フーリエ変換を利用したレーザドップラ測定系を作製した。 2.表面温度300゜Cの冷却面に垂直にVAD火炎を当て、粒子の速度分布およびガスの温度分布を測定した。 3.約3000゜C/cmの温度勾配の場が実現され、そこでのSi【O_2】微粒子の熱泳動速度は1.0cm/Sと推算された。
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