1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850163
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
古崎 新太郎 東京大学, 工学部, 教授 (40011209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 美一 古河電工, 光ファイバ研究室, 光ファイバ研究室長
上山 惟一 東洋大学, 工学部, 助教授 (10092149)
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Keywords | VAD火炎 / 超微粒子 / 熱泳動速度 / 付着 / 核発生 |
Research Abstract |
VAD火炎中の超微粒子生成についてA^+_rイオンレーザを用いたin-situ測定を進め、火災中での超微粒子平均径が50〜60nmであり、火炎高さ方向にほとんど変化しないことを見出した。また、付着面近傍での熱泳動速度が約1cm/sであるという昭和61年度の研究成果との比較から、粒子は付着面近傍の急激なガス温度降下によるガス収縮の為互いに接近し合い、凝集してサブミクロンオーダーの二次粒子となって熱泳動し、面に付着しているものと考えられるる。高々サブミクロンオーダーの粒子であるから、付着に対する粒子の慣性効果は無視される。すなわち、光ファイバ母材の高速成長のためには、熱泳動効果をうまく利用する工夫を重視すべきである 火炎中での粒子析出現象において、Siが存在することによりGeのかなりの部分が高温の火炎中でも粒子中に取り込まれるようになることを見出した。電子顕微鏡写真によると数10nmの球形粒子の凝集体の間隙を、後から何かが析出して埋めている様子が見られた。ESCAによりサンプル粒子の厚さ方向の組成変化を調べたところ、表面付近ではGeが多く、中に入る程Siの割合が増していた。これらのことから、Si-Ge二元系においては、まずSiO_2が析出して核を形成し、その上にSiO_2とGeO_2が析出して一次粒子を形成するものと思われる。気相中のSiO_2はこの段階で全て粒子として析出してしまうがGeO_2は蒸気圧が高いため気相中に残り、火炎部でガス温度が降下した所で一次粒子の表面に析出してくるものと考えられる。実際、高温部でのサンプル粒子中のGe組成に比較して、その下流側の低温部でのサンプル粒子中のGe組成はかなり大きかった。 母材を光ファイバに加工する過程において、Ge-O-Si結合が重要視されていることから、粒子中でのGeの結合状態に影響する因子を探ることが、今後の重要な研究課題の一つとなろう。
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[Publications] 上山惟一: 粉体工学会誌. 26. (1989)
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[Publications] 上山惟一: 燃焼研究. 80. (1989)
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[Publications] 上山惟一: 化学工学. 53. (1989)
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[Publications] 上山惟一 他: "化学変換法による微量成分および難精製物の高度分離" アイ・ピー・シー, (1989)