1986 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を利用する植物病原ウイルスの診断技術の確立と実用化
Project/Area Number |
61860005
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐古 宣道 佐賀大, 農学部, 助教授 (20038219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞松 光男 佐賀県果樹試験場, 場長補佐
川越 仁 宮崎県総合農業試験場, 部長
前田 孚憲 岡山大学, 農業生物研究所, 助手 (10038309)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ELISA / 反応時間の短縮化 |
Research Abstract |
ウリ科作物などの野菜類に広く発生するキュウリモザイクウイルス(CMV)とピーマンに発生するタバコモザイクウイルスのトウガラシ系統に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作成を行い、そのうちの一部についてはBALB1Cマウスの腹水から抗体を回収し、間接ELISA法により各病原ウイルスの検出試験を試みた。また、免疫期間と免疫量を変えたマウスを用いて、細胞融合を行い、さらに抗体産生能力が高くて、長期の凍結保存に耐えるより質の良いハイブリドーマの選抜を試みている。 圃場試料の診断法としては、間接ELISA法が有望視されているが、ウサギから作製した抗体の他に、ウズラの卵黄から調製したグロブリンを用いて、コンジュゲートにはプロティンA-アルカリホスファターゼを使用して実験を行い次のような結果がえられた。第一次抗体を処理しないでウサギ抗体を用いた間接法の検出限界は、純化ウイルスのズッキーニ黄斑モザイクウイルスで10〜5ng/ml、カボチャモザイクウイルス1で50〜10ng/ml、罹病葉搾汁液ではそれぞれ【10^6】-【10^7】倍、【10^5】-【10^6】倍希釈であった。第一次抗体にウズラ抗体、第二次抗体にウサギ抗体を用いた時、両ウイルスの検出限界は純化ウイルスでは10〜5ng/ml、罹病葉搾汁液では【10^6】-【10^7】倍希釈であった。 ELISA法の検出試験に用する時間を短縮するために、27通りの各ステップの短縮時間の組み合せについて試験したところ、第一次抗体を処理しない間接法あるいは二重抗体法では、プレートへのコーティングの時間を4時間(37℃)から30分に、抗原抗体反応の時間を18時間(4℃)から2時間(37℃)に、酵素標識抗体との反応時間を4時間(37℃)から2時間に短縮できた。この検出限界は純化ウイルスで0.05〜0.01μg/ml、罹病葉搾汁液では【10^4】〜【10^5】倍希釈までであった。この他に、抗原と酵素標識抗体を混合して同時に反応させることにより、2時間30分まで短縮された。
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[Publications] F.Ozyanar;N.SAKO: Bulletin of the Faculty of Agriculture,Saga University. 62. (1987)
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[Publications] 佐古宣道,平野光,野中福次: 九州病言虫研究会報. 33. (1987)
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[Publications] Susamto Somowiyarjo,佐古宣道,野中福次: 九州病言虫研究会報. 33. (1987)
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[Publications] Susamto Somowiyarjo,佐古宣道,野中福次: 日本植物病理学会報. 53. (1987)