1986 Fiscal Year Annual Research Report
呼気ガス濃度適応制御式人工呼吸器による自律系背景活動制御系の開発
Project/Area Number |
61870006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊沢 孝朗 名大, 環境医学研究所, 教授 (20022775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
只木 英子 金城学院大学, 家政学部, 教授 (80079459)
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 講師 (00109349)
水野 直樹 名古屋工業大学, 機械工学科, 講師 (30135404)
藤井 省三 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023038)
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Keywords | 呼気ガス濃度制御システム / 適応制御方式 / 自律系背景活動 / 呼吸調節 / 【Pco_2】 / 【Po_2】 |
Research Abstract |
1.各種濃度の【CO_2】、【O_2】を含む空気を呼吸させた動物での呼気、血液、髄液中の【CO_2】及びpHの変化を連続的に追跡し、血液中と髄液中では変化の速度及び変化の大きさに差異があることが明らかになった。(人工呼吸器を使用) 2.ソレノイドバルブの開放時間の調節により【O_2】、【CO_2】の添加量を加減して呼気ガス濃度を調節するサーボ式人工呼吸器システムを試作した。本システムは呼気ガス分析装置、A/Dコンバーター(DMA)、PIO、バルブコントローラー、パーソナルコンピューター(PC-9801VM2)、人工呼吸器からなる(呼気ガス分析装置を除きすべて本研究費で購入)。制御方法は、離散時間モデル規範型適応制御方式を用いた。生体の安全性及び制御装置の安全性の点から入力(バルブ開放時間)の激しい変動を防ぐ為、制御入力の差に重み(ε)をつけ、また上下眼(飽和)をもうけた。制御プログラムはBasic言語を用いて作成し、規範モデルの出力、制御入力、呼気ガス濃度等の変化をグラフに表示できるようにし、制御の動向が一目でわかるようにした。ネコを用いて呼気ガス【CO_2】濃度の目標値を変化させてこの制御システムの応答を調べたところ、目標値の変化幅が大きい場合には呼気ガス濃度と吸気ガス濃度が逆転し、正しい調節が行われない事が判明した。εを変化させる事によってこれを防ぎうるが、目標値に到達するまでの時間が長くなる。根本的な解決策は、呼気ガス濃度の値として呼気ガス分析装置の出力するピークホールド値を使わず、呼吸相を同定した上で呼気ガス濃度を検出する様にする必要があり、次年度にはこの点を改良する予定である。またチュービングが長いため無駄時間が長く、推定しなければならないパラメーターが増え、演算時間が長くなった(最短で2.5秒)。演算プロセッサーを導入し、Fortranに書き換えて演算時間を短縮し、他の同時処理プログラムを組み込む予定である。
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Research Products
(1 results)