1986 Fiscal Year Annual Research Report
光学的多チャンネル測定による脳幹薄切標本における呼吸性ニューロン活動様式の解析
Project/Area Number |
61870008
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤戸 裕 札幌医大, 医学部, 講師 (40133144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 藩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50001871)
小坂 功 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90045534)
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Keywords | 脳幹 / 呼吸中枢 / 薄切標本 / 活電電位の光学的記録 / 蛍光色素 / ニューロンの逆行性標識 / 横隔神経核 / 頸髄呼吸性ニューロン群 |
Research Abstract |
本年度の研究により得られた新知見、成果は以下のようにまとめられる。 1.全動物標本 (1)従来、ネコについて私共が報告している頸髄の呼吸性ニューロンと同様に、麻酔下のラットの上部頸髄にも脳幹の呼吸性ニューロンと同期して活動する吸息性ニューロン活動が微小電極法により細胞外記録された。 (2)呼吸性ニューロンの標識:脳幹の薄切標本を作成するに先立ち、呼吸性ニューロンを標識する必要性から、二種の蛍光色素をそれぞれ頸髄の【C_4】〜【C_6】(横隔神経核)および【C_1】〜【C_2】(頸髄呼吸性ニューロン群)に注入し、逆行性に標識した。その結果、ネコ脳幹の呼吸性ニューロンの中に横隔神経核と頸髄呼吸性ニューロン群の両者に投射しているニューロンが認められた。 2.脳幹の薄切標本の作成 ネコおよびラットの脳幹の薄切標本は、マイクロスライサーを用い、300μm程度の比較的厚い切片が作成可能となった。薄切標本の残生はニューロン活動の微小電極法記録により確認された。 3.ニューロン活動の光学的記録 (1)微弱光測光システム:倒立顕微鏡に組み込んだ多チャンネル測光システムは、現在のところ最も低ノイズ・低ドリフトの光電変換系を採用し、3チャンネル分試作し好結果が得られた。さらに拡張をはかりつつある。 (2)ニューロン活動の光学的記録:吸光度変化によるニューロン活動のモニターは可能となっている。残されている問題は散乱光の補正ならびにニューロン活動記録時の標的ニューロンの可視化(これは、一次蛍光を有する色素Lucifer Yellowにより脳幹の呼吸性ニューロンを逆行性に標識することにより可能)である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小坂功: 日本生理学雑誌. 48. 714 (1986)
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[Publications] Aoki,M.: "Respiratory Muscles and Their Neuromotor Control." Alan R.Liss INC.,