1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61870016
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
香川 靖雄 自治医大, 医学部, 教授 (30048962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 聡子 独協医科大学, 医学部, 助教授
太田 成男 自治医科大学, 第1生化学教室医学部, 講師 (00125832)
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Keywords | 培養細胞 / 遺伝子操作 / ATP輸送体 / レトロウイルス外皮タンパク / 形質膜 |
Research Abstract |
人体細胞は、形質細胞によって細胞外液と隔てられている。特定の物質を細胞内に人為的に自由に加えたり、あるいは細胞内産物を細胞外へ取り出すことを可能にするのが本研究の目的である。ミトコンドリア内膜に局在しているATP輸送体を培養細胞内で発現させ、しかも形質膜へ組み込み、ATPを細胞外液から取り入れさせるために次の事柄を研究計画に従って達成した。 1.ATP輸送体遺伝子の塩基配列を一部決定した。 2.ATP輸送体遺伝子とレトロウイルス外皮タンパク遺伝子を融合した。レトロウイルス外皮タンパクは形質膜に局在するからである。 3.接合部位の塩基配列を決定し、タンパクの発現に支障がないことを確認した。 4.この融合遺伝子をカルシウム沈殿法により、マウスL-細胞に導入し発現させた。 5ATP輸送体レトロウイルス外皮タンパク融合遺伝子を発現する細胞をクローン化した。 6.ATP輸送体の活性を測るために、HPLC(高速液体クロマト)を用いて、ATP、ADPの定量法を確立した。 7.ATP輸送体の形質膜上の活性を測定し、予備的には活性があるらしい感触を得た。 8.培養細胞から2ATP、ADP+AMPの反応を触媒するアデニレートキナーゼの活性が予想より大きいことがわかったので、その阻害剤を用いてATP輸送体の活性を明瞭にしようと努めている。 以上のように、研究計画の大部分は達成できた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 平田肇: Journal of Biological Chemistry. 261. 9839-9843 (1986)
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[Publications] 香川靖雄: Methods in Enzymology. 162. 1-9 (1986)
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[Publications] 香川靖雄: Journal of Bjochemistry. 100. 923-934 (1986)
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[Publications] Saishu,T.: Biochimica et Biophysica Acta. 867. 97-106 (1986)
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[Publications] 太田成男: Journal of Biochemistry. 99. 135-141 (1986)
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[Publications] Yohda. M.: Biochimica et Biophysica Acta. 850. 429-435 (1986)
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[Publications] 香川靖雄: "Ion Transport through Membranes" Academic Press,Inc.New York,U.S.A.Editors:Yagi,K.and Pullman,B., 0147-162 53 (1986)
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[Publications] 柳田豊: "Analysis of Membrane Proteins. Solubilization and purification of mombrane proteins." Chapman and Hall,Inc.London,England.Editors:Ragan,I.C.and Cherry,R.J., 61-76 441 (1986)