1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝病のDNA診断法の開発:先天性尿素サイクル病とインスリン受容体異常型糖尿病
Project/Area Number |
61870019
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 正敬 熊本大, 医学部, 教授 (40009650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 正樹 熊本大学, 医学部, 助手 (40179578)
蛯名 洋介 熊本大学, 医学部, 助教授 (00112227)
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Keywords | 尿素サイクル酵素群 / 先天性高アンモニア血症 / インスリンレセプター / インスリン受容体異常型糖尿病 / DNA診断 / RFLP / cDNAクローニング / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
1.ヒト尿素サイクル酵素cDNAの単離。すでに単離したラット肝アルギナーゼcDNAをプローブとしてヒト肝cDNAライブラリーをスクリーニングレ,ヒト肝アルギナーゼ(欠損症はアルギニン血症)cDNAを単離し構造解析を行った。その結果、322アミノ酸残基よりなるヒト肝アルギナーゼの全一次構造が明らかとなった。cDNA部分を発現ベクターpUC9に組み込み大腸菌抽出液のアルギナーゼ活性を測定したところ、高いヒト肝アルギナーゼの活性が検出された。一方オルニチントランスカルバミラーゼとアルガニノコハク酸リアーゼcDNAについては、すでに単離したラット酵素cDNAをプローブとしてヒトcDNAの単離を進めている。 2.日本人におけるRFLPの検索。RFLPを利用した遺伝子診断法を開発するために高頻度に生じるRFLPを検索した。正常人22名の末梢血DNAを用いてラットオルニチントランスカルバミラーゼcDNAをプローブとしてサザンブロッティングを行い、MspIによる6.6kbと5.9kbのRFLPを見出し、遺伝子頻度は約1:2であった。本酵素欠損症の3家系について調べたところ、一家系にこのRFLPが応用出来ることが分った。アルギナーゼ遺伝子座のRFLPを現在検索中である。一方インスリンレセプター遺伝子座にStuIによる6.7kbと7.0kbのRFLPを見出したが、このポリモルフィズムとインスリン非依存糖尿病との間には現在のところ有意な相関は見出していない。 3.染色体遺伝子クローンの単離とRFLPの検索。より多くのRFLPを見出すために染色体遺伝子のクローニングを行い、オルニチントランスカルバミラーゼ遺伝子を単離しその構造をほぼ決定した。アルギナーゼおよびインスリンレセプターの遺伝子クローニングが現在進行中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kodama,Hiroko: J.Inher.Metab.Dis.9. 175-195 (1986)
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[Publications] Kawamoto,Susumu: Biochem.Biophys.Res.Commun.136. 955-961 (1986)
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[Publications] Hata,Akira: J.Biochem.100. 717-725 (1986)
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[Publications] Amaya,Yoshihiro: Biochem.Int.13. 433-438 (1986)
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[Publications] Haraguchi,Yougo: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (1987)
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[Publications] Ebina,Yousuke: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (1987)
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[Publications] Mori,Masataka: "New Approach to Genetic Diseases" Academic Press, .10 (1987)