1986 Fiscal Year Annual Research Report
産業化学物質の皮膚感作性試験とその標準化に関する研究
Project/Area Number |
61870028
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松下 敏夫 鹿大, 医学部, 教授 (10022790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 茂 熊本大学, 医学部, 教授 (80040137)
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Keywords | 皮膚感作性 / 産業毒物 / アレルギー反応 / 感作性試験 |
Research Abstract |
産業化学物質による皮膚感作性を評価し、その判定の標準化をはかるために、モルモットを用いて実験を行った。 松下は、皮膚感作性試験とその評価の基準化(定量化)をはかるために、有機硫黄系農薬(マンネブ剤)を用いて、Maximization test(Magnusson & Kligman,1969)を基本にして、その量・反応関係の検討を行った。すなわち、感作処置濃度(皮内および貼布)、誘発濃度を段階化し、その反応性をKligmanの方法(1966)で評価し、併せてDraize法(1944)とBj【o!¨】rnberg法(1968)により反応強度の判定を行った。つぎに、これらの成績を基礎として皮膚感作能の評点化を試みた。その結果、1.感作処置濃度(皮内:100-0.01%,貼布:100-0.1%)、2.誘発濃度(100-0.001%)、3.Kligman判定(I〜V)、4.Draize点数(0〜8)またはBj【o!¨】rnberg点数(0〜2)の4因子を組み合わせ、感作能の強弱を評価すること、その際、相対評価として感作処置濃度の評点は比較的軽くし、動物の感作成立率および反応の強度の評点を重くすること、誘発濃度は別の視点で考えるべきことなどが分った。 野村は、皮膚感作試験の標準化を行うために、レゾルシノールのほか感作性未知のフエニルアミン系薬品6種について、その皮膚刺激性および感作性試験(Maximization test)を行い、別に並行的に実施した松下の実験成績との比較検討を試みた。その結果、実験条件も全くブラインドにした場合でも、基本的にはほぼ同様の成績が得られること、使用した試験方法がほぼ普遍性が認められることなどが分った。 松下は、別に光過敏症の評価を行うための基礎的作業として、購入した紫外線照射装置(デルマレイ)を用いて、その実験条件の設定に関して予備的検討を行い、次年度の本試験に備えた。
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