1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61870031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
四方 一郎 阪大, 医学部, 教授 (10035371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤谷 登 大阪大学, 医学部, 助手 (10156888)
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Keywords | ニトロセルロース / ABC法 / ABO式血液型 / 指紋 |
Research Abstract |
1.ニトロセルロース膜の表面に指頭を軽くあて、指表面の分泌物を採取したものと、スライドガラスに指紋を押捺した後、ニトロセルロース膜に転写したものについて、混合凝集反応法,ABC法を用いてABO式血液型判定を行った。1)混合凝集反応法:抗A血清を用いた場合,AまたはAB型の人の指紋には血球の付着が認められ、BまたはO型の人の指紋には認められなかった。抗B血清を使用した場合,BまたはAB型の人の指紋には血球の付着が認められ、AまたはO型の人の指紋には認められなかった。抗Hレクチンを用いた場合,A,B,O,AB型の人の指紋に血球の付着が認められた。2)ABC法:一次抗体として抗A血清,抗B血清を用いて行った。一次抗体は20倍,40倍,80倍,100倍に希釈し、使用濃度について検討した。二次抗体としてビオチン化アフィニティ精製抗ウサギあるいは抗ヤギIgG血清を、さらにアビジン・ビオチン・ペルオキシダーゼ複合体を順次作用させ、3.3′ジアミノベンジディンで発色させた。その結果、希釈倍率40倍以上の抗A血清を用いた時,AまたはAB型の人の指紋に特異的な発色を認め、BおよびO型の人の指紋には発色を認めなかった。同様に希釈倍率40倍以上の抗B血清を用いた時,BまたはAB型の人の指紋に特異的な発色を認め、AおよびO型の人の指紋には発色を認めなかった。2.ニトロセルローズビーズに希釈した血液中の型物質を吸着させ、混合凝集反応法,解離試験法にて型判定を行った。1)混合凝集反応法:陽性を示したビーズの表面に血球の付着が認められ、陰性のものには血球の付着が認められなかった。2)解離試験法:陽性のものには顕著な血球の凝集が認められ、陰性のものには認められなかった。又、ビーズに直接感作された抗体は、55℃の熱を加えても、解離してくることはなかった。
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