1986 Fiscal Year Annual Research Report
超小型渦巻式血液ポンプを含む心臓補助循環システムの開発とその応用研究
Project/Area Number |
61870054
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 暸 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (50014072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 政廣 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (60158954)
安藤 譲二 北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (20159528)
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
田辺 達三 北海道大学, 医学部, 教授 (50000956)
|
Keywords | 心臓補助循環 / 渦巻式血液ポンプ / 心臓適応反応 / 補助循環依存症 / 心筋核酸代謝 / RNAポリメラーゼ活性 |
Research Abstract |
近年、長期の心臓補助循環の必要性は高まる傾向にあり、これに判っていわゆる「補助循環依存症の発症機序解明が重要な課題となっている。本研究では、心臓に対する負荷軽減に伴う心臓適応反応を、主として心ポンプ機能変化と心筋生化学的変化との関係から前記機序を解明することを目標としている。初年度では、まずその研究用機器として高制御性、超小型渦巻式血液ポンプを含む新しい補助循環システムを開発した。以下に初年度研究計画で示した各項目に関する研究成果をまとめて示す。1.駆動モータに小型・高出力の直流サーボモータを用いた超小型渦巻式血液ポンプを開発した。(1)ポンプヘッドの血液充填量は市販遠心式血液ポンプに比べ1/10以下に低減され、乳幼児への適用が可能となった。(2)羽根車駆動方式をモータ直動型とすることにより流量応答性の向上及び簡易構造化が実現された。(3)初年度購入備品の遠心器を用いた溶血試験により、本血液ポンプの最適羽根形状(セミオープン型、羽根入口・出口角度:20゜,50゜)が決定された。2.心拍同期及び非同期の拍動流駆動が可能な駆動制御装置を開発した。同備品の小型レコーダを用いた基礎実験の結果、毎分200回程度までの拍動流が発生可能であることが確認された。3.1,2の成果を統合し、新しい補助循環システムを開発した。同備品の直流アンプを用いた動物実験の結果、(1)本システムにより心仕事量を有意に長期間安定して低減可能であること、(2)圧負荷低減には左室一大動脈バイパスが適していること、(3)2重管構造の心室内挿入管を用いることにより家兎程度の中動物のバイパスが可能であることなどが実証された。また、バイパス後比較的短時間で心筋核酸代謝及びRNAポリメラーゼ活性が変化する可能性を示唆する結果を得た。以上の様に、本研究では当初計画した通り満足すべき成果が得られ、次年度への研究推行に速やかに移行できる見通しを得た。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 山本修三: 医科器械学. 56(臨時号). 10-11 (1986)
-
[Publications] 山本修三: 電子通信学会、MEとバイオサイバネティクス研究会資料. MBE86(23). 9-16 (1986)
-
[Publications] 田中志信: 人工臓器. 15(2). 571-574 (1986)
-
[Publications] 田中志信: 医用電子と生体工学. 24(秋季特別号). 42-43 (1986)
-
[Publications] 山本修三: 人工臓器.
-
[Publications] Shinobu.Tanaka: ASME Journal of Biomechanical Engineering.