1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61870065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 公介 名古屋市大, 医学部, 助教授 (20128648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田黒 和生 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70128651)
池田 憲 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50080164)
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Keywords | 粘膜付着性制癌剤 / 膀胱癌 / 膀胱内注入 / o / w type emulsion adriamycin solution / Hydroxy propyl celulose adriamycin solution |
Research Abstract |
膀胱粘膜に付着し、持続的に抗癌効果を発揮することが可能な製剤として我々は2種類の製剤を作製した。まず第一は水溶性アドリアマイシンをoil in water typeのemulsionに調整した。調整方法はゴマ油とTwean80,span20を混合し、0.2%アドリアマイシン水溶液を等量加え、ホモジナイザーで乳化し、アドリアマイシン含有のemulsionとした(o/w type emulsion・ADM・solution)。これをフィッシャー系ラット膀胱内に経尿道的に投与し、従来の水溶性アドリアマイシン製剤と比較してどれだけ長期に膀胱内にアドリアマイシンが滞留するかをみた。実験結果ではemulsion注入群で4日目のラット膀胱組織内にアドリアマイシンを検出することができたが、従来の水溶性アドリアマイシン注入群ではアドリアマイシンを検出することができなかった。しかしemulsion注入群でもその濃度は非常に低く、臨床的試用を行うことは不可能と考え、第二の粘膜付着性抗癌剤を開発した。これはhydroxy propyl celuloseに水溶性アドリアマイシンを加え、hydroxy propyl celulose adriamycin solution(HPC・ADM)を作製した。前述と同様の動物実験を行ったところ、4日目のラット膀胱から高い濃度のアドリアマイシンを検出することができた。一方従来の水溶性アドリアマイシン注入群ではラット膀胱からアドリアマイシンを検出することができなかった。そこで臨床試用が可能と考え、現在までに数例の膀胱癌患者に対してHPC・ADM製剤を投与したところ、抗腫瘍効果が著明にみられ、完全腫瘍消失を2例にみた。今後は症例数を重ね、至適投与量,投与回数などを決めたいと考えている。更に副作用軽減のために製剤の改善も考慮中である。
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Research Products
(1 results)