1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61870072
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗栖 浩二郎 九大, 歯学部, 教授 (50028346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 康吉 九州大学, 歯学部, 助手 (70117076)
久木田 敏夫 九州大学, 歯学部, 講師 (70150464)
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Keywords | 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 / 固定法 / 包埋法 / コラーゲン / フィブロネクチン |
Research Abstract |
電顕免疫組織化学における免疫染色法には、Pre-enbedding法とpost-enbedding法とがある。前者は超微形態の保存は比較的よいが、抗体の組織への浸透が不十分なことが多く、実験結果に信頼性が乏しい。他方後者は、超微形態の保存は劣るが、同一試料を種々の抗体で容易に染色できること、二重染色法が自由に利用できること、細胞内への抗体の浸透性について考慮する必要がないことなど多くの長所がある。そこで、本研究の目的は、試料の固定法や包埋法を検討することによって、抗原性や超微形態の保存の良い理想的なpost-enbedding法を追求するものである。昭和61年度は以下の研究実績を得ており、研究の完成のためさらに実験を継続中である。 抗原のうちタンパク質の例として【I】型及び【III】型コラーゲン、フィブロネクチンの電顕免疫組織化学的の改良を試みている。【I】型及び【III】型コラーゲンはマウス皮膚より、それぞれ酢酸、ペプシン処理により抽出し、フィブロネクチンはマウス血清より分離、精製した。現在までのところ、【I】型及び【III】型コラーゲンについては、(【i】)0.1%グルタールアルデヒドと1%パラフォルムアルデヒドを含む0.1Mカコジル酸緩衝液による前固定と1%オスミック酸による後固定Epon812による包埋後の熱重合、超薄切片の4%メタ過ヨウ素酸の1時間処理、抗体及び金コロイド標識プロティンAを用いた免疫染色によって、超微形態、免疫染色強度ともかなり満足すべき結果が得られている。しかし、フィブロネクチンに関しては上記の条件では、免疫染色性が強く抑制され、オスミック酸による後固定の段階を省いて、Lowicrylに包埋して低温重合すると超微形態の保存は十分ではないが、抗原性は完全に保存されていることがわかった。Epon包埋の場合は、熱による抗原性喪失効果が大きいと思われるため、室温重合が可能なThiokolを混合したEponへの包埋を検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kurisu,K.;Ohsaki,Y.;Nagata,K.;Kukita,T.;Yoshikawa,H.;Inai,T.: J.Histochem.Cytochem.35. (1987)