1988 Fiscal Year Annual Research Report
がんの長期治療計画を精密化するコンピュータ診療支援システムの試作研究
Project/Area Number |
61870103
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野瀬 善明 九州大学, 医学部, 教授 (20038920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守口 直 九州大学, 医学部, 医員
赤澤 宏平 九州大学, 医学部, 助手 (10175771)
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Keywords | 胃癌 / 悪性リンパ腫 / 予後規定因子 / 治療効果 / 比例ハザードモデル / フォローアップ |
Research Abstract |
胃癌、白血病、悪性リンパ腫、子宮頸癌、肝疾患(肝炎、肝硬変、肝癌)の症例の中でプロトコール診療を施行した症例は、フォローアップ患者登録システムに登録され綿密にフォローアップデータの収集が行われている。これらの症例のうち、胃癌と悪性リンパ腫については統計学的な評価が行われた。 1.胃癌術後患者の予後規定因子の探索。胃癌登録患者のうち、進行胃癌で治癒切除の根治術を受けた症例は611例である。このうち、重複癌、残胃癌、非待期手術症例を除いた592例が研究対象症例となった。解析に用いた予後規定の候補因子は、手術時年令、性別、占居部位、ホールマン分類、組織型、浸潤増殖様式、腫瘍最大径、深達度、リンパ節転移、胃切除範囲、郭清度、補助化学療法の有無の12因子である。この12因子のうちから術後生存率に有意な影響を与える子後規定因子の組合せを選択するために、比例ハザードモデルによる回帰分析を用いた。解析の結果、手術時年令、腫瘍最大径、リンパ節転移、深達度という組合せが選択された。 2.悪性リンパ腫に対するアドリアマイシン併用療法の効果について。悪性リンパ腫登録患者のうち、放射線治療と化学療法を行った15才以上の症例106例が研究対象例である。106症例のうち、61例がアドリアマイシンを併用した。アドリアマイシンの投与群と非投与群において、治療効果への背景因子の影響を除外するためにCox法による生存率解析が用いられた。背景因子として考慮した因子は、初発年令、性別、組織型、組織学的悪性度、原発巣、臨床病期、bulky mass,PS.LDH値である。解析の結果、性別、組織学的悪性度、Penformance Status,LDH,Bcell型とアドリアマイシン投与の交互作用である。従って、Bcell型にはアドリアマイシンは有効であると示唆される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 守口直: 第8回医療情報学連合大会論文集. 193-194 (1988)
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[Publications] 赤澤宏平: Oncologia. 22(1). 13-18 (1989)
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[Publications] 赤澤宏平: Proceeding of the society for survival time studies on cancer patients.