1988 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を用いた多機能微細免疫バイオセンサーの基礎的研究
Project/Area Number |
61870104
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 助教授 (90112391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野木 正憲 化学及び血清療法研究所, 菊池研究所, 化学研究室室長
辻 一郎 化学及び血清療法研究所, 菊池研究所, 研究員
山川 烈 熊本大学, 工学部, 助教授 (00005547)
安河内 一夫 熊本大学, 工学部, 教授 (60040359)
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Keywords | 電気化学免疫センサ / モノクローナル抗体 / IgG / 電解電合 / ポリチラミン薄膜 / 差動出力 / 微小電極 |
Research Abstract |
本研究では高機能免疫センサーを開発し、臨床分析用の簡易な電気化学免疫センサーを供給することを目的としている。今年度は、前年度までに開発した免疫電極の実用化のために血清中での測定のための基礎的検討を行なうとともにセンサーの微小化の検討及び新しい原理の電気化学免疫センサーの開発を試みた。 1、差動型モノクローナルhCGセンサー: 前年度までに開発した電解重合ポリチラミン薄膜修飾電極にヒトじゅう毛性腺刺激ホルモン(hCG)に対するモノクローナル抗体(anti-hCG)を固定化して得たhCGセンサは、ng/mlレベルの抗体の検出が可能となった。このセンサは電位応答型であるため電極の大きさに依らず所定の出力電圧が得られた。作年度までの電極の約1/5程度の大きさ(0.5mmφ,長さ1mm)でも充分機能した。しかし、血清中のような多量の夾雑物の存在下では種々の非特異的な応答も見られた。そこで、特性の類似したHBs抗原に対するモノクローナル抗体(anti-HBs)を固定化したポリチラミン修飾電極を対極として、上述のanti-hCG電極との差動出力を測定する方式を採用した。その結果、血清中の非特異的な応答はほとんどキャンセルされ、血清中でのhCGの測定が可能となった。検出感度はng/mlレベルであった。 2、微小酵素免疫センサ: この場合も血清中での非特異的応答が問題となる。本研究では、酸性溶液中から得た多孔性で広い表面積を有するポリチラミン膜に非特異応答の小さいNaOH-MeOH溶液から得られるポリチラミン膜を被覆したポリチラミン二重修飾電極を得た。これにanti-IgGを固定化したヒト免疫グロブリン(IgG)センサを用いて、10倍希釈の血清中でpg/mlレベルの免疫測定が可能となった。 さらに、電解重合膜を用いたFETモデル素子のダイオード特性を利用した新しいフロー型免疫センサを開発した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Isao Taniguchi: Denki Kagaku. 56. 785-786 (1988)
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[Publications] Isao Taniguchi: Denki Kagaku. 56. 1104-1105 (1988)
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[Publications] 谷口功: 学術月報. 42. 64 (1989)
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[Publications] 谷口功: 病態生理. 8. 243-251 (1989)
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[Publications] Ichiro Tsuji: Biosensors,.
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[Publications] Isao Taniguchi: Denki Kagaku,.