1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61870106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹 征史 京大, 医学部, 助教授 (20025654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 助手 (30025655)
山田 淳三 京都大学, 医学部, 教授 (90025651)
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Keywords | 自然発症てんかんラット / 欠神様発作 / 強直性けいれん / 脳波 / フェニトイン / トリメサジオン / エトスキサミド / フェノバール / バルブロ酸 |
Research Abstract |
1)TremorヘテロラットとZitterホモラットの交配によりえられた【F_1】世代の中からtmヘテロ個体間の交配により【F_2】世代を作成した。この【F_2】世代において、正常型:Zitter型:tremor型:自然発症てんかん(SER)は9:3:3:1の割合でえられた。以後、順次Zitter表型同士を交配し、二重突然変異体であるSERを確実にえられるようになった。 2)大脳皮質前頭野および海馬に電極を慢性的に埋込み、行動を観察すると共に脳波を記録した。動物は行動を停止し、空を疑視するような欠神様発作がみられ、これと同期して、大脳皮質および海馬の両者に5〜7Hzの棘徐波結合が認められた。26匹におけるこの平均発作回数は1.29±0.17回/分、1回の平均発作持続時間は9.15±0.98秒であった。この欠神様発作につづき強直性けいれんが認められた。強直性けいれんの間には低振中、20Hz以上の速波が認められ、この速波に低電位の単発性棘波が散在して認められた。26匹における平均発作回数は0.20±0.01/分、1回のけいれん持続は23.8±1.63秒であった。 3)小発作治療薬のトリメサジオンおよびエトスキサミド(100mg/kg)は投与45-60分後において欠神様発作を抑制し、強直性けいれんには影響を及ぼさなかった。すなわち、15分間における平均発作持続時間を、それぞれ8.72±2.56秒から1.50±0.61(n=4)へ、7.38±1.42から0.32±0.15秒(n=4)へと減少した。一方、大発作治療薬であるフェニトイン(20mg/kg)は強直性けいれんを抑制した(平均持続時間5.58±0.97秒/15分から0.76±0.44秒へ減少)が、欠神様発作には影響しなかった。また、欠神様発作および小発作に有効なフェノバルビタールおよびバルブロ酸は強直性けいれんおよび欠神様発作の両者を抑制した。これらの結果からSERにみられる欠神様および強直性けいれんはヒトの小発作、大発作に相当することが示され、てんかん治療研究に有用なモデル動物と考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tadao Serikawa: Laboratory Animal. 21. 68-71 (1987)
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[Publications] Hisamitsu UJIHARA: Japanese Journal Pharmacology. 43. 277 (1987)
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[Publications] 氏原久充: 日本薬理学雑誌. 89. 34 (1987)
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[Publications] Masashi SASA: Epilepsia.