1986 Fiscal Year Annual Research Report
低温表面電子顕微鏡法の開発とその固体ガス吸着研究への応用
Project/Area Number |
61880011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木 克道 東京工大, 理学部, 教授 (90016072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷城 康眞 東京工業大学, 理学部, 助手 (40143648)
高柳 邦夫 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80016162)
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Keywords | 表面電子顕微鏡 / 反射電子顕微法 / ガス吸着 / シリコン表面 |
Research Abstract |
表面顕微法は表面の構造とその変化を原子レベルの分解能で明らかにしてくれる手法として大変有益である。これによって今迄Si表面やPt表面の構造や動的変化が明らかにされて来た。 本研究の目的はこれ迄室温以上の温度で行なわれていた表面電子顕微鏡法で室温以下の温度領域に広げて観察することを目的として立案された。特に最近では低温での表面の構造、吸着構造に興味ある物性、構造変化などが観察されているからである。 初年度は、低温加熱ホールダーの試作を行った。これは表面清浄化のための加熱と、観察のための冷却と相反する性能を1体にしなければならないという困難さが伴う。性能としては-16℃(冷却が可能となった。この温度ではまだ不十分で次年度以降に改良を行う予定でいる。装置を使った成果は得られていないが、本研究計画において重要となるガス導入による表面構造の変化の研究を試作を行っているときと並行して行ったので、その成果をのべる。 Si(111)表面と酸素ガス:Si(111)7×7【→!←】1×1相転移において【υ_2】を導入すると表面にvacancyが導入されるが、このとき7倍構造の領域が減少するという興味深い結果を特た。これは7×7構造がDASモデルであるとしてある程度定性的に理解される。 Si(111)表面と水素ガス:室温で水素を解離させて吸着させると87×7構造に変った。興味あることはこの際ステップの移動は全くおこらない点である。この構造は加熱によって1×1または7×7構造に変態する。
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Research Products
(2 results)