1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61880012
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宇野 良清 日大, 文理学部, 教授 (00058661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雪野 健 無機材質研究所, 第5研究グループ, 主任研究官
貫井 昭彦 無機材質研究所, 第9研究グループ, 主任研究官
大隅 一政 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (70011715)
安藤 正海 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 教授 (30013501)
山中 高光 東京大学, 理学部, 助手 (30011729)
|
Keywords | 放射光 / X線粉末回折 / リートベルト法によるX線構造解析 / 高温高圧X線回折 |
Research Abstract |
6月初Iグループを除く装置開発担当者全員の会合を開き、回折計の仕様の基本方針を決定した。その後IIグループが中心となって、回折計の細部設計の打合せ会を3回開き、9月末にゴニオメータ本体のハードの設計を終了した。ソフトの製作と付属品の設計に入る10月初、全員による検討会を開き、付属品設計の見直しを行うとともに、性能検討とソフト開発の分担を決定した。12月初Aグループによりモノクロメータ用結晶の性能検査を行い2月初試作ゴニオメータの立上げと性能検査を行った。 ゴニオメータの性能検査の結果、操作性が良く、精度の高いゴニオメータを作るという最大の目標は達成され、将来の展望の明るい装置であった。モノクロメータ用結晶からの出射光の位置が波長により約0.2mm移動することは予想外であったが、調整可能な範囲内であった。設計の細部検討などにより、当初の計画を変更した主な点は次の通りである。 1.測定精度向上のために機械強度の増大をはかったため、重量が約2.5トンとなり、架台上にゴニオメータ本体の微動装置を取付け、さらに装置全体を手押のフォークリストにより運搬することとした。 2.モノクロメータの調整は予定を変更し、当初から放射光を用いた。 3.試料から蛍光X線を除去し、また角度分解能を向上させるため、遠隔調整可能なカウンタモノクロメータを作製した。 4.放射光による測定のマシンタイムが不足したため、ソフトの開発が遅れ、測定精度の検討、回折線プロファイルの検討が不可能であった。 62年度は、ソフトを整備し、測定精度の検討、プロファイルの解析、高圧測定、カウンタモノクロメータを用いた測定を実施し、放射光によるX線粉末回折の共同利用実験にも供し得るよう、性能の向上とハード及びソフトの整備を行う予定である。
|