1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61880021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乗松 孝好 阪大, 国立大学(その他), 助手 (50135753)
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Keywords | 高濃度トリチウム測定 / 粉末無機蛍光体 |
Research Abstract |
1.目的 核融合燃料レベルの高濃度トリチウム(0.1〜2.6Ci/【cm^3】)を対象とする小型でインライン可能な濃度測定装置を開発する。 2.方法 β線の励起作用による無機蛍光体の発光強度を測定することによりトリチウム濃度を求める計測技術の開発を行った。ウランベッドを用いたトリチウム取扱装置に蛍光体センサーを接続し、ウランベッドからDTガスを熱解離により供給し、ピエゾ素子により圧力を測定する。蛍光体センサーは直径3mmの石英ロッドの一端に蛍光体粉末を充填層が6mmとなるように30〜70mg充填し、フィルターで押さえスウェージロックで固定して製作する。発光強度はコアー径0.8mmの光ファイバーでグローブボックス外部へ導き、ホトカウンターで計測する。蛍光体はZnS:Cu、ZnS:Ag、ZnS:Cu:Al、ZnS:Au:Cu:Al、【Zn_2】【SiO_4】:Mn(Zn・Cd)S:Cu:Al、(Zn・Cd)S:Ag、【Y_2】【SiO_5】:Ce、【Y_2】【O_5】S:Tb、【Y_3】【Al_5】【O_(12)】:Tb、【Y_3】【Al_5】【O_(12)】:Ceを用いた。 3.実験結果 トリチウム濃度と発光強度の関係は蛍光体の種類により発光強度の差があるが、いずれの蛍光体も0〜7気圧の範囲で直線性が認められる。粉末蛍光体を使用したことにより、水素によるβ線の自己吸収の影響を少なくすることができ濃度と発光強度の間に良い直線性が得られたと考えられる。Zn系蛍光体は発光強度が大きく、Y系は小さい。またY系はβ線による損傷と思われる発光強度の低下が、1時間程度の使用で認められた。【Zn_2】【SiO_4】:Mnを使用してトリチウムの昇圧、降圧を繰り返えす実験で2回目からBG値は初期暗電流値の5倍程度となるが、それ以後は平衡に達する。この値はDTがス1気圧の場合の電流値の1/100程度であるので、それほど問題とはならない。【Zn_2】【SiO_4】:Mnを使用してDT混合比を任意に変化させる実験でトリチウム濃度およびDT混合比を±1.5%以内の測定精度で求められることが確認できた。以上の結果より、インラインでかつ微量装荷量で可能な高濃度トリチウム測定装置の実用化の見通しが得られた。
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