1988 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルレーザーを利用した染色体ソーティング技術の開発
Project/Area Number |
61880023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松原 謙一 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落谷 孝広 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (60192530)
福重 真一 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (90192723)
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Keywords | セルソーター / デュアルレーザー / 染色体 |
Research Abstract |
24種類のヒト染色体をそれぞれ独立にソーティング(分離、分取)するため、デュアルレーザー方式のセルソーターを組み立てた。ヒト染色体試料は正常な核型をもつリンパ芽球様細胞株からコルセミド処理により調製し、DNA中のAT塩基対に親和性を示すヘキスト33258(HO)とGC塩基対に親和性を示すクロモマイシンA3(CA)の2種類の蛍光色素で二重染色した。レーザー光の励起波長を351.1〜363.8nmと457.9nmに調整し、HOによる蛍光は420〜560nmを、CAによる蛍光は560nm以上を回収した。ここでCAの励起光457.9nmがHOの蛍光極大値に非常に近く、正確にHOの蛍光量を測定できないという問題に直面した。この問題を解決するため、HOの蛍光検出器手前に457.9nm付近をカットするフィルターとスリットを挿入し、CAの励起光を除去した。得られた2種類の色素に対する蛍光強度を二次元に展開した結果、24種類のヒト染色体を21グループにまで分離することができた。また、第1、2、3、4、5、6、13、16、17、18、19、20、21、22、Y染色体の計15種類の染色体については完全に単離することが可能となった。さらに、ヒト細胞からの単離が困難な染色体に関してはヒトーチャイニーズハムスターの雑種細胞を用いることにより完全に単離することができた。この技術を用い、実際、第18、19、20、21、22染色体をそれぞれ380万個ずつソーティングし、DNAを抽出後、アミラーゼ遺伝子上流に存在する内在性レトロウイルスのLTR配列をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行い、各染色体に特有のバンドのパターンを得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Semba,Kentaro: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 79. 710-717 (1988)
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[Publications] Miyajima,Nobuyuki: Nucleic Acids Research. 16. 11057-11074 (1988)
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[Publications] 福重真一: 細胞工学. 7. 896-903 (1988)
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[Publications] 中村紀彦: 大阪大学医学雑誌.