1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61880024
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 守 東京大学, 薬学部, 助手 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 征三 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (00011693)
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Keywords | リン脂質ハプテン / 脂質平面膜 / FETセンサー / 抗体 / LB膜 / ラングミュアブロジェット法 / ナノ秒蛍光 / スペーサー |
Research Abstract |
ラングミュアブロジェット法によりカバーグラスを支持体とした脂質平面膜作製に成功した。脂質平面膜(LB膜)としては、単分子膜と2分子膜の利用を可能にした。また、これらのLB膜に予めリン脂質ハプテン(抗原)を加えておくと、LB膜を用いた膜面上の免疫反応の追究ができた。ハプテン基(トリニトロフェノールおよびダンシル)に特異的なモノクローン抗体は、シリコン化合物表面のLB膜に特異的に結合した。さらに、抗体を介してこれらのLB膜にマクロファージが特異的に結合することを示した。また、マクロファージの結合は抗体のサブクラスの違いにより、大きく変化した。一方、機能性膜の素材となるリン脂質に対しても、種々の物理的測定を行ない、素材の検討をした。まず、リン脂質ハプテンのハプテン基とリン脂質の間のスペーサー分子の長さに依存して、LB膜に対する抗体の結合能が大きく変動した。そこで、蛍光性のリン脂質ハプテンを用いて、膜表面上のハプテンの存在様式を+1秒蛍光法により決定した。これらの研究を通して、LB膜上のリン脂質抗原分子として、どのような分子を用いればよいかを明らかにした。また、LB膜の素材中にコレステロールを共存さすと、抗体の結合能が著しく増大することを見出した。そこで、これらの知識を総合し、FETセンサー表面にリン脂質のLB膜を作製した。そして、FETセンサーを用いて、膜上の免疫反応を高感度で追究できることを明らかにした。
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[Publications] Mizuguchi,J.;Utsunomiya,N.;Nakanishi,M.;Arata,Y.: J.Immunol.140. 2495-2499 (1988)
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[Publications] Utsunomiya,N.;Nakanishi,M.;Arata,Y.;Tadakuma,T.: J.Immunol.141. 1471-1475 (1988)
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[Publications] 中西守: 実験医学. 6. 133-137 (1988)
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[Publications] 中西守: 島津科学機器ニュース. 29. 10-14 (1988)
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[Publications] 中西守: 化学と薬学の教室(バイオテクノロジー特集). 81-85 (1988)
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[Publications] 中西守: 細胞工学. (1989)
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[Publications] 中西守: "生命科学の基礎6.(抗原認識機講)" 学会出版センター, (1989)