1986 Fiscal Year Annual Research Report
EVAL中空繊維を用いる多重機能型人工腎臓素子の開発
Project/Area Number |
61890006
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
今井 清和 長岡技科大, 工学部, 教授 (60115102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 育志 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80155457)
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10134967)
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Keywords | 人工腎臓透膜 / エチレン-ビニルアルコール共重合体 / 中空繊維 / 酵素固定 / 血液適合性 / ヘパリン / ウレアーゼ |
Research Abstract |
人工腎臓透析膜として実用化されているエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVAL)を素材とした中空繊維に生理活性物質を固定することにより、従来とは異なった多重能型人工腎臓素子の開発を目的とし、その基礎的研究を行った。本年度は、生理活性物質の固定化に先だち、その基礎として、酵素インベルターゼ、グルコアミラーゼのイオン結合による固定化を、EVAL表面のアミノアセタール化により試み、その固定化条件の検討を行った。その結果、最大固定化率90%、活性収率72%という良好な結果を得た。得られた試料の安定性・保存性・基質溶液の流速と活性の関係などの特性並びに反応物と生成物の分子量の違いによる分離特性について検討し、生理活性物質の固定のための基礎的データを得た。ついで、ウレアーゼ固定を、これらの基礎的知見に基づき、上記固定化法により行った。この固定化物のpH活性曲線はrative酵素に比べ、至適pHの移動は見られないものの、幅の広い形となった。また、繰り返し酵素反応及び連続酵素反応における安定性も良好であった。基質溶液の流速を増大させることにより、見掛けのMichaelis定数が減少し、Native酵素のそれに近づくことが認められた。これらのことは、ウレアーゼ固定化透析膜が、尿素分解の機能を十分に果すことを示している。さらに、ヘパリンの固定化を試み血液凝固性を検討した。その結果、固定化量は従来のものより多くの固定が可能であり、その量はアミノアセタール化の制御により調節出来ることを見いだした。そのようなヘパリン固定化EVAL膜の抗凝血性試験をin vitroで行ったところ、ヘパリン化による抗凝血性の増大を認めた。
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[Publications] K.Imai: Biothech.Bioeng.28. 198-203 (1986)
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[Publications] K.Imai: Biotech.Bioeng.28. 1721-1726 (1986)
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[Publications] 宮正光: 高分子論文集. 43. 659-664 (1986)