1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62010026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河井 貞明 東京大学, 医科研究所, 教授 (70107423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清木 元治 癌研究所, ウィルス腫瘍部, 主任研究員 (10154634)
竹家 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60112330)
石崎 良太郎 日本獣医畜産大学, 分子腫瘍学研究室, 教授 (00112970)
口野 嘉幸 国立がんセンター研究所, 部長 (60124418)
竹縄 忠臣 東京都老人総合医学研究所, 薬理, 室長 (40101315)
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Keywords | レトロウィルス / 癌遺伝子 / イノシトール燐脂質 / トランスフォーメーショmyc関連遺伝子 / myb関連遺伝子 / ski関連遺伝子 |
Research Abstract |
本研究班は発癌機構研究の一環としてレトロウィルスを利用することによって1)新しい癌遺伝子の探索 2)癌遺伝子の構造と機能の解析 3)細胞物質と癌遺伝子産物との相互作用主要研究課題として取上げている. 1)に関しては幾つかの手段を用いているが先ず河井,後藤は種々のトリ腫瘍組織からのウィルスの分離を行いウィルスのもつ癌遺伝子の同定を行った. その結果,腎芽細胞腫から分離したウィルスは癌遺伝子としてvfosをもつことを明らかにしたがLLVによって誘発される他の腎芽細胞腫にもCーfos遺伝子が関与している可能性について検討を行っている. さらにヒト由来の機能未知の癌遺伝子Cーfynをトリウィルスに人工的に導入し,そのトランスフォーミング活性及び腫瘍特異性について検討した結果特殊な未分化細胞を,src遺伝子に見られるような構造変化を伴わずにトランスフォームする能力があることを見い出している. 石崎らはウィルス癌遺伝子VーnybやVーskiをプローブとして用いてヒトからmybやskiと構造似ているが異なる新しい癌遺伝子の単離に成功しその構造を明らかにした. 口野らはラットに見い出したmyc関連遺伝子の構造解析を行い従来知られているmyc関連遺伝子とは異り殆んど介在配列を含まない特殊な構造を有することを明らかにし特異的に脳腫瘍で発現していることを認めた. 竹家はsrc遺伝子蛋白の燐酸化とチロシンキナーゼ活性との関連について人工変異遺伝子を作成して解析した. 竹縄らは抗イノシトール燐脂質抗体を作成し,細胞へのマイクロインジェクションによってトランスフォーム細胞が正常化することを見て,膜関連遺伝子による発癌にはイノシトール燐脂質代謝が密接に関与していることを明確に示した. 清木らは本年度はHTLVー1のp27^<rex>の機能について詳しく検討しウィルス構造蛋白の発現に必要なunspliced RNAの畜積に関与していることを明らかにした.
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[Publications] S.KAWAI: J.Virol.61. 1665-1669 (1987)
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[Publications] N.GOTO: Jpn.J.Vet.Sci.49. 779-786 (1987)
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[Publications] J.KATO: J.Jpn.Cancer Res.78. 1354-1362 (1987)
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[Publications] Y.HIROTA: Mol.Cell.Biol.
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[Publications] M.KATO: J.Biol.Chem.262. 5696-5704 (1987)
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[Publications] K.MATSUOKA: Science.
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[Publications] M.MARUYAMA: Cell. 48. 343-350 (1987)
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[Publications] J.INOUE: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 84. 3653-3657 (1987)
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[Publications] M.TAKAHASHI: Mol.Cell.Biol.7. 1378-1385 (1987)
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[Publications] M.NISHIZAWA: J.Virol.61. 3733-3740 (1987)
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[Publications] K.FUJIWARA: J.Virol.61. 4012-4018 (1987)