1987 Fiscal Year Annual Research Report
がん原物質によるDNA損傷, 修復と誘発変異特異性のシャトルベクターによる解析
Project/Area Number |
62010048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 武司 大阪大学, 医学部, 講師 (90028382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 章 京都大学, 医学部, 助手 (20188262)
石井 裕 大阪大学, 医学部, 助教授 (20028509)
木村 博 滋賀医科大学, 助教授 (00110560)
佐藤 弘毅 放射線医学総合研究所, 遺伝部, 主任研究員 (60029775)
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Keywords | 6TG抵抗性変異 / HPRT遺伝子 / シャトルベクター / がん原物質誘発変異 / 突然変異スペクトル |
Research Abstract |
樹立したシャトルベクター系VH12細胞を用いて, 自然誘発HPRT細胞クローンを多数収集し, 変異遺伝子を回収した. 60ケのHPRT変異遺伝子の塩基配列を調べた結果(加藤,石井)回収されたほとんどの遺伝子に変異配列が同定できた. 得られた自然誘発変異スペクトルは, これまで知られている原核細胞のものと大きく異なる点があり, 真核細胞特有なものかどうか興味がある. この結果は, 今後発がん特質による誘発変異を調べるうえで, 対象となる重要なものであり, 樹立したベクター系の有用性を示すものである. 発がん物質による誘発変異特異性を調べるため, 木村は各種変異原を用いてVH12細胞による6TG抵抗性変異細胞を収集して, TrpーP2およびEMSによって誘発変異クローンからベクターの回収をはじめた. IQによる変異特異性は特に興味がある点であるが, 誘発変異頻度が低く, 自然誘発クローンの混存が懸念されるため再度検討が必要である. 佐藤は, マウス白血病細胞のDNA修復欠損株を用いて, TrpーP2,IQによる6TG抵抗性変異誘発頻度を調べている. これはDNA修復欠損が突然変異誘発にどのように関与するかを詳細に知るためである. また, 変異遺伝子の解析が可能になればDNA修復機構が変異誘発過程でどのように作用するかの知見も得られる. 立花は, ヒト白血病細胞株で自然および紫外線誘発6TG抵抗細胞クローンを採り, ゲノムHPRT遺伝子の制限酵素分解による方法で変異を同定し, 自然誘発によるものは大きな欠失, 重複等が半数以上あること, 紫外線では, ほとんど大きな変化がみられないことがわかった. さらにヒト高発がん性疾病患者の白血球細胞で同様の研究を進めている.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takesi Kato: GAMMAーFIELD SYMPOSIA. No.24. 1-15 (1987)
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[Publications] Hideo Shinagawa: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.in press.
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[Publications] Tadahiro Shiomi: Mutation Res.,. 182. 223-227 (1987)
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[Publications] L.H.Tompson: Somatic Cell and Molecular Genetics. 13ー5. 539-551 (1987)
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[Publications] J.Blanco: Anal.Bioche7.163. 537-545 (1987)