1987 Fiscal Year Annual Research Report
発癌遺伝子の移入による正常造血系細胞のImmortalizationと癌化
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62010092
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
関口 豊三 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 室長 (70076975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部・動物染色体研究施設, 助教授 (60001765)
寺崎 武夫 国立がんセンター研究所, 病理部, 主任研究員 (80142652)
丸野内 棣 藤田学園保健衛生大学, 総合医学研究所, 教授 (90181825)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所・ウィルス感染部, 助教授 (10089120)
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Keywords | HTLVー / pXーI遺伝子 / HTLVーII / pXーII遺伝子 / DNAートランスフェクション / トランスジェニックマウス / ヒト成人性T細胞白血病 / 人小細胞肺癌 |
Research Abstract |
(1)HTLVーIIのpX遺伝子の移入;ヘアリー白血病の原因ウィルスHTLVーIIの発癌遺伝子と想定されるpX-II遺伝子をマウス胸腺初代培養細胞にDNAーtransfection法による移入を行ない, そのimmortalization及び癌化の可能性を調べた. 対照の胸腺細胞は培養2週間以内に全て死滅するが, 移入細胞は大きなクランプを形成し, 細胞形態が変化し, 大小さまざまなサイズの細胞となる. 培養1ケ月経過すると, 中間サイズの比較的均一な細胞集団となるが, 培養2ケ月以上では殆んど増殖停止した. またこのpx遺伝子遺入細胞をマウスの腎皮膜下に移植すると8週後に米粒大の腫瘤形成がみられ, これは小リンパ球細胞の集団であった. (2)成人性T細胞白血病の原因ウィルスであるHTLVーIのpXI遺伝子をマウス受精卵に導入して, トランスジェニックマウすを作出した. これらマウスは成長が極めて低下し, 体重は対照の1/3であり, また胸腺の委縮があり免疫不全を思わせる症状を呈した. (3)人白血病細胞株U937はTPA処理によりマクロファージ様細胞に分化する. この時, 発癌遺伝子mosのmーRNAが発現している. 一方, この浮遊状の白血病細胞のVーmos遺伝子の移入を行うと細胞は壁面に接着し, マクロファージ様形態を示し〓喰能を示す. この変化は可逆的であり, VーmosのmRNAの産生を抑制すると, 細胞は再び浮遊状の白血病細胞となる. つまり一つの発癌遺伝子が白血病細胞の分化を制御している. (4)人の小細胞肺癌細胞をビタミンA欠乏培地で培養すると偏平上皮癌様に分化する. この細胞にビタミンAを加えて培養すると再び元の小細胞肺癌に戻る. 小細胞肺癌は放射線感受性であるが, 偏平上皮関様になると放射線低抗性を示した. (5)種々の発癌遺伝子の人染色体上のマッピングを行った. rosー1及びfetを6q22,および13q12上へ位置づけした. mit,bーmybを夫々No8及びNo13染色体へ, skyをNo3染色体に位置づけした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miwa Masanao: AIDS RESEARCH. 2 Suppl.I. 61-70 (1986)
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[Publications] Iwakura Yoichiro: J.Interferon Research. 7. 703-709 (1987)
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[Publications] Kurata Nori: Jap.J.Cancer Research. 78. 219-222 (1987)
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[Publications] Terasaki Takeo: Cancer Research. 47. 3533-3537 (1987)
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[Publications] Ino Teruo: Proceeding Natl.Acad,Sci.U.S.A.84. 4264-4267 (1987)
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[Publications] Sekiguchi Takeshi: Experimental Cell Research. 169. 395-407 (1987)