1987 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝癌発生,進展における性ホルモンの意義に関する研究
Project/Area Number |
62015051
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
永末 直文 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40117198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 玉川 島根医科大学, 医学部, 助手 (20188501)
河野 仁志 島根医科大学, 医学部, 講師 (60145951)
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Keywords | 肝細胞癌 / 性ホルモン / エストロゲン / アンドロゲン / エストロゲンリセプター / アンドロゲンリセプター / ラジオグラフィー / ヌードマウス / 細胞培養 |
Research Abstract |
(1)女性肝癌における性ホルモンリセプターの検討:現在までに女性肝細胞癌の癌および肝組織内のエストロゲンリセプター(ER), アンドロゲンリセプター(AR)を19例で測定した. 癌組織中にはERは7例(37%)で検出され, その値は2.4〜25.6fmol/mgpであり, ARは7例(37%)で検出され, その値は2.3〜82.6fmol/mgpであった. これらの中, ERとARがともに存在する例は3例であった. 肝組織中のERは58%で, またARは65%に存在した. (2)肝癌ARの特異性の検討:AR陽性および陰性肝癌の新鮮切除標本よりスライス標本と細胞浮遊液を作成し, これらをestoradiol, hydrocortlsonで前処置を行ったのち, ^<125>Iーtestosteroneまたは^<14>CーtestosteroneのARによる取り込みを検討した. 6例でこれを行ない, 肝癌組織に存在するARが確かにtestosteroneに特異的に結合することを確認しえた. (3)ヒト肝癌のヌードマウスに対する移植:24例の切除されたヒト肝細胞癌を雌雄のヌードマウスの皮下に移植した. 現在までにわずか4例で生着がみられたにすぎず, またそれらの発育はきわめて遅いため, この実験系を用いた研究は進んでいない. (4)ヒト肝癌細胞の継代培養:現在, 久留米大学第一病理学教室より肝細胞癌株を4種入手し, これらを教室にて培養中である. また教室で切除された肝癌も培養を開始したところである. 現在, これらの株を用いて, 性ホルモンの増殖に対する影響, AR, ERの細胞内局在を検討中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagasue N,Kohno H,Chang YーC,Hayashi T,Utsumi Y,Nakamura T,Yukaya H.: Cancer.
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[Publications] Nagasue N,Kohno H,Chang YーC,Hayashi T,Nakamura T.: Cancer.