Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ホセ アンドリノ A. グァテマラ国立サンカルロス大学, 歯学部, 助教授
羽野 アウレリオ メキシコ国立自治大学, 歯学部, 教授
H エレーナ サラス メキシコ国立自治大学, 人類学研究所, 研究員
片桐 マリオ メキシコ国立自治大学, 歯学部, 教授
伊藤 アレハンドロ メキシコ国立自治大学, 歯学部, 教授
A.A. ダールバーグ 米国シカゴ大学, 人類学教室, 教授
前田 真琴 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手
府川 俊彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60181244)
黒木 健広 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90153402)
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10014200)
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
一条 尚 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013807)
富田 喜内 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (70001013)
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Research Abstract |
古代および現代中米インディオの歯, 顎顔面頭蓋の形態ならびに咬合様式を調査し, 1)日本人やコーカソイド等と比較検討する. 加えて, 昭和57年度海外学術調査「古代ペルー人の歯科人類学的研究」の結果とも比較検討を行い, 中米インディオの歯科人類学的位置づけを行う. 2)得られた知見を基礎省学ならびに臨床歯学へ, 基礎的資料として提供し, とりわけモンゴロイドの歯科医療分野への還元をはかる. 本調査は, 昭和62年4月5日より4月16日および8月3日より9月5日に2期間に亘り行われ, メキシコ国立人類民族博物館所蔵の古代中米インディオの頭蓋骨より選別した約200体およびメキシコユカタン半島のオツクツカブ地区居住現代マヤ人約200名に対して, 昭和57年度海外学術調査「古代ペルー人の歯科人類学的研究」の調査方法に準じ, 人類学的計測, 歯牙印象, 写真撮影, 頭部X線規格写真およびパノラマX線写真撮影, 咬合機能検査, 口腔内疾患調査を行い資料を得た. また, 同時に, 本調査の一環として, 北米アリゾナ, アラスカおよびグァテマラにも赴き調査を行い, 写真資料も採取した. この結果, 一般的観察から中米インディオの顎顔面形態はモンゴロイドに類似し, 口腔内においても, モンゴロイドに特有のシャベル歯が高頻度に認められた. また, 北米インディアンやエスキモーについても, 一般的観察からモンゴロイドと歯科人類学的に関連性が深いことが確認された. 今後, 調査総括により, 歯牙印象型, 頭部X線規格写真の計測ならびに人類学的計測, 咬合機能検査, 口腔内疾患調査の集計および統計処理を介して, 以下のように詳細に研究を進める計画である. 1.出土年代, 出土地域および人類学的計測値から, 資料とした頭蓋骨の人類考古学的検討を行う. 2.頭部X線規格写真(総数約400枚)について種々の計測を行い, 顎顔面頭蓋形態の人種差, 成長発育および時代的変遷を明確にする. 3.歯牙印象模型(総数約800個)で歯の大きさおよび形質, 歯列弓形態, 咬合様式を計測観察し, 人種差を検討する. 4.咬合力, 咬耗度, 歯周ポケットの測定値をもとに, 咀嚼機能と食習慣との関連性を検討する. 5.不正咬合, う蝕, 歯周病, 口腔粘膜疾患の疫学的頻度を検討し, 口腔内疾患の実態を把握する.
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