1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
ブラジル,リオ・ドッセ湖沼群の陸水生態学的特性と湖沼類型に関する研究
Project/Area Number |
62041040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Field Research |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西條 八束 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (70022506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ODETE Rocha サンカルロス大学, 生物学科, 助教授
TAKAKO M-Tun サンカルロス大学, 生物学科, 教授
JOSE G.Tundi サンパウロ大学, 工学部, 教授
福原 晴夫 新潟大学, 教育学部, 助教授 (50108007)
三田村 緒佐武 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (50030458)
中本 信忠 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40109202)
須永 哲雄 香川大学, 教育学部, 教授 (00035883)
生嶋 功 千葉大学, 理学部, 教授 (20009046)
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Project Period (FY) |
1987
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Research Abstract |
本研究はブラジル,ミナスジェライス州のリオ・ドッセ湖沼群を研究対象とし,次の4点を解明する. 1)熱帯湖の高い生産性の維持機構 2)従来ほとんど知見のない南米中部の熱帯性草原地域の湖沼の特性 3)熱帯湖における湖盆形態と生態学的特性の関係 4)人類活動の熱帯湖沼生態系への影響 今回はリオ・ドッセ湖沼群につき,これまでの乾季,雨季の2回の調査で明らかになった問題点,あるいは研究の不足している点について重点的に調査を実施した. その結果明らかになった興味ある諸点を列挙すれば次のごとくである. 1.森林公園内外に分布する深度その他の性状の異なる15の湖について,水温の成層,光条件,水貭,クロロフィル量,動植物プランクトンの組成等を比較した. その結果,いずれの湖も堰止湖であるが,上流の浅い湖沼と下流の深い湖沼では上記の各種の性状が異なり,水の類型的な分類がこの湖沼群でも可能であることが示唆された. これは本研究の目的の一つとしていた熱帯湖の分類について,重要な知見となると考える. 2.森林公園内の天然林中の湖と公園外の人工林の中の湖の比較も,本研究の重要課題である. ジャカレー湖は人工林中の湖で,とくに湖の付近で大規模な木炭の製造が行なわれており,その煙の湖水水貭への影響が危惧されている. これまでの調査でも,この湖の生物生産が異常に低いことが注目されていたが,今回の調査で水草に関し,ジャカレー湖だけでホテイアオイの生長が悪く,葉型もちがっており,葉の先端が茶色に枯れていることが観察された. 3.天然林中のカリオカ湖に魚食性のトクナレが持ちこまれ,魚類組成に大きな変化が生じたらしいことは前回の調査で注目されていたが,今回の調査でさらにそれが確認され,第1回の調査の際に見られた多数の小魚がほとんど消失していた. 4.カリオカ湖の主要な底生動物はフサカ幼虫であるが,今回の観測中にこのフサカ幼虫の羽化が新月の際に集中的に起るという新事実が発見された. これは水生昆虫の羽化がどのように制御されているかという同調機構の問題に,重要な知見を加えるものであると考える.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 水草研究会会報. 17号. (1984)
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[Publications] Proceedings of IV JapanーBrazil Symposium on Science and Technology. (1984)
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[Publications] 学術月報. 38巻6号. (1985)
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[Publications] Proceedings of V JapanーBrazil Symposium on Science and Technology.(1986)