1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
62041139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Principal Investigator |
市川 行和 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助教授 (20013667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 俊介 筑波大学, 物理学系, 講師 (10091919)
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Project Period (FY) |
1987
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Research Abstract |
原子分子の関与する衝突過程の研究において,その基礎過程の一層の理解および様々な分野への応用を目指して,日本と英国の研究者の間で共同研究の計画が進められている. その内で特に,電子と原子分子の衝突の分野について,英国の研究の現状を調査し,今後の協力の可能性を英国側研究者と協議するのが, 本調査研究の目的である. 英国における電子衝突の理論的研究は主として次の二つの共同研究に組織されている:(I) Collaborative Computational Project No.2(CCP2,代表者ベルファスト・フィーンズ大学 Kingston 教授),(II) Opacity Project(ロンドン大学 Seton教授). 前者は,大型計等コードの開発および各種計等法の比較を目的とし,原子・イオン・分子すべてを対象としている. 後者は,星のopacityを求めるための基礎データを得るのが目的で,鉄以下の軽い原子およびそのイオンを対象とする. 両者とも20名程度の研究者およびその学生が中心で両者にまたがっている研究者も多い. 上記のグループとも現在ではR行列法を用いて計算が主となっている. この方法は Burkesにより英国で開発されたので,特にエネルギーの低いところでは最も正確な答を与える. ただし, 重い原子や分子への適用ははじまったばかりである. この方法はぼう大な計算時間を必要とし,それだけにその正しさを確かめるのは容易ではない. またエネルギーが高くなると実際上, 適用不可能である. そこで,今回の調査研究の結果として (1)R行列法を我が国にも導入し, 必要に応て分担し, また我が国が自前でも詳しい計算が出来るようにする. (2)R行列法と相補的な手法を開発し, R行列法の精度を確かめると共に,高エネルギー領域などでの計算を行う. ことにより, 日本の研究者が英国の研究者と協力することが可能であり, また望ましくもあるという結論に達した.
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